執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

パクられて一番損をしているのは、実はパクった側です。周りからの信頼を失い、バレたときは相手の引き立て役になり、そして何より「考えた時間」が手元に残りません。

パクられたということは、それだけのものを作れたという証です。落ち込む時間より、次を作る時間に使ってください。

📖 この記事でわかること
  • 「参考にする」と「パクる」を分ける、たった1つの基準
  • パクった側が失っている3つのもの
  • パクられてしまったときに、どう考えれば前に進めるか
  • そもそもパクる必要がなくなる状態とは何か

「真似されたら、また創ればいい。しょせんモードは移ろいやすい商品で、芸術作品ではないのだから」

ココ・シャネルの言葉として知られています

いつの時代も、真似する・しない問題はありますよね。今の言葉で言うならパクリ問題です。シャネルが生きていた時代にもあったということですし、今でも身の回りで時折耳にします。

私も個人事業主だった頃に「学生からフリーランス」という言葉を使っていた時期があるのですが、会社にお勤めの方がそのまま同じ言葉を使って発信されているのを見たときは、怒り以前になんだか不思議な気分でした。

この記事でお伝えしたいのは、パクられて嫌な思いをした方へ、それは大したことではないということです。もしパクった経験がある方が読んでいたら、少し胸に刺さるかもしれません。

先に大切なことなので断っておくと、私と同業や近いお仕事の方、講座に参加してくださった方々のことを指しているわけではありません。同業の方をお断りする方もいらっしゃるようですが、私はそういう考えはなく、むしろ安くないお金を「投資して学ぼう」というご姿勢は素敵だなと思います。同業でお越しくださる方は素直で人格者の方が多く、繋がらせていただくことが嬉しいくらいです。

「参考にする」と「パクる」は似て非なるもの

「学ぶは真似ぶ」という前提

そういえば小学生の頃、担任の先生が「学ぶは真似ぶだ」と教えてくれました。多くのビジネス書にも、「0から作り出すのはよほどの天才でない限りあり得ない。まずは上手くいっているものを真似ること」というメッセージが書かれています。

つまり「真似」という言葉自体は、いい意味にも悪い意味にも捉えられます。だからこの記事では、いい真似を「参考にする」、悪い真似を「パクる」と呼び分けてお話を進めます。

2つを分けるのは「自分の頭を通したか」

呼び方 やっていること
参考にする お手本のひと・もの・ことを模範にしながら、自分で知恵を巡らせて形にすること
パクる お手本のひと・もの・ことを、そのまま、もしくは一部だけカットして、創意工夫なく引用すること

誰かを不快にしてしまう真似とは、後者の「パクる」のほうです。境目は、その間に自分の頭を通したかどうかだと思っています。みなさんはいかがでしょうか。

パクリをする人が一番もったいない3つの理由

理由1:お手本にした相手だけでなく、周りの信頼も失う

一番損をしているのは、真似をされている人ではなく真似をしている人なんですよね。

少し余談ですが、私が失恋したときに見つけて、今でも好きな言葉があります。発端がどこなのか、いまだに探せていないのですが、こんな話です。

失恋して公園で泣いていた女の子に、哲学者は慰めるでもなく笑って言った。「君は自分を愛してくれない人を一人失ったにすぎない。しかし彼は、自分を愛してくれる人を失ったのだ。彼の損失のほうがずっと大きい。本当につらいのは彼のほうなのだよ」

パクリ問題は、この感覚と近いと思うのです。真似をされてしまった人は、この女の子のように嫌な思いや悲しい思いをしたことでしょう。何をどれくらいパクられたかにもよりますが、自分が頑張って培ってきたものを、コピー&ペーストの一瞬で真似されては心穏やかではいられないかもしれません。

一方、真似をしている人は楽をした気持ちでいることでしょう。振った側が傷ついていないように、「よし、これで自分も準備できた」と、嫌な思いをせずに物事が見えているかもしれません。

でも、それはパクっている本人だけの視野です。ネットの社会で言うと、見ている人たちはそんなに愚かではありません。パクリに気づいた人は、あなたを心から応援してくれていたとしても、信頼をなくします。

実際に私も、知人(Aさんとします)が、面識のないBさんの記事を丸ごとコピーして発信しているのを見つけたことがあります。文章を書くことがどういうことなのか、どれだけ思いを込めているのかを知っているからこそ、「問題が起こる前に、Aさんのところにクレームが来る前に」と思い、こうお伝えしました。

「こんなことをお伝えするのか迷っています。でも、気がついてしまったのでお伝えさせてください。あなたの記事は、Bさんという方の記事と同じですよ。誰かに言ったわけではないですし、Bさんに報告もしていません。私の勘違いなら謝りますので、おっしゃってください」

結果、その後は連絡を無視され、私のフォローを外されただけでなく、私からのフォローも外されていました。注意した私を嫌うのは勝手ですが、何も撤回がないということは、ほぼ真実だということです。Aさんへの信頼が砂のお城のように消えていく感覚を、今でも覚えています。

パクリ問題は、真似をされてしまったBさんだけでなく、こうして気がついた周りの人からの信頼さえも失うことがあるのです。

理由2:バレたとき、むしろ相手の引き立て役になる

パクリと参考の違いを考える

パクリという現象が起こるとき、たいていは自分より上手くいっている人のことをパクります。バレていないときは自分の作品のように出せますが、バレたときには実績を持っている人と比較をされます。

発信の世界は「何を言うかではなく、誰が言うか」が大きいので、余計にお手本にした相手を引き立てることになってしまいます。

例えば「Stay hungry, stay foolish(ハングリーであれ、愚かであれ)」は、スティーブ・ジョブズの言葉として知られています。ここで私が引用だと紹介せずに言ったところで、ジョブズと比較対象にもならないので「上村が真似をしている」となるだけでしょう。

  • 時間軸:どちらが先か
  • 発信者:誰の言葉か

このどちらで見ても、パクった側のほうが微妙な目で映ってしまいます。結局、バレたときに相手を引き立てているだけなのです。

理由3:思考した時間は、一生もののスキルになる

ノートパソコンで文章を書いている手元

私の周りに入ってくるパクリの情報は、記事のコピーが最も多いです。事業のパクリとなると規模感はまったく違うはずですが、記事のパクリは秒でできてしまいますよね。

でも、書いた人はそこに時間を費やしています。記事を書いている作業時間だけではなく、書く前から思考する時間は始まっています。その思考の中で身につけたものは、自分の糧になります。

真似をされる側の人は「頑張って考えたのにな」と思ってしまうかもしれませんが、その思考プロセスをパクった側が得ることは、そうありません。

そして思考プロセスは一生ものになりますが、糧がない人はずっと誰かをコピーし続けなくてはいけません。どちらが得るものが大きいかは、一目瞭然ですよね。

パクられてしまったときの考え方

もしパクられてしまうことがあっても、それだけいいものを作れたという証にして、落ち込まないでください。それだけのものを作れた力は、一生ものです。その力を生かして、次のステージに進んでいきましょう。

とはいえ、「いい真似=参考にする」から生まれるものがこの世の多くを占めています。何かを参考にして、自分の頭を働かせて、みんなでいいものを作って循環する世の中にしていきたいものですね。

パクる必要がなくなるのは、自分の軸が決まったとき

何か明確な軸を定めれば、誰かをパクる必要はなくなります。逆に言えば、自分の軸が腑に落ちていないときは、必死だから人のものをパクってしまうくらい追い詰められてしまうのでしょう。

同業の方と同じことをやっているように見えても、軸が決まっていれば言葉は自然と変わります。「誰に、何を、どういう順番で届けたいのか」。ここが自分の言葉になっているかどうかが、参考とパクリを分ける分岐点でもあります。

よくある質問(FAQ)

Q
「参考にする」と「パクる」の境目がわかりません。
A
その間に自分の頭を通したかどうかです。お手本を見て「なぜこの人はこうしているんだろう」と考え、自分の状況に置き換えて形にしたなら参考。考えずにそのまま、あるいは一部だけ削って出したならパクリだと考えています。
Q
パクられているのを見つけたら、本人に伝えるべきですか?
A
伝えるかどうかは、その関係性次第だと思います。私は一度お伝えしたことがありますが、返ってきたのは無視とフォロー解除でした。伝えても関係が良くなるとは限らないということは、知っておいていただきたいです。伝えないという選択も、決して逃げではありません。
Q
上手くいっている人を真似するのは悪いことですか?
A
悪いことではありません。「学ぶは真似ぶ」と言われるように、ゼロから作り出せる人はほとんどいません。大切なのは、真似た先で自分の頭を通しているかどうかです。
Q
パクられないようにする方法はありますか?
A
完全に防ぐ方法はありません。ただ、自分の実体験や失敗をそのまま書いた発信は、真似しても中身が伴わないので浮いてしまいます。表面のノウハウだけでなく「自分に何があったか」を混ぜて書くことが、結果的に一番の対策になります。

まとめ

パクった側は、周りからの信頼を失い、バレたときには相手の引き立て役になり、そして何より「考えた時間」という一生もののスキルが手元に残りません。

だからもしパクられてしまっても、憤りに時間を使いすぎないでください。冒頭のシャネルの言葉のとおり、また創ればいいのです。作れる力があるということは、すでに証明されているのですから。

上村菜穂 プロフィール写真

著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導し、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など、全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施。

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