執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

読まれる文章=思考力 × 表現力 × リサーチ力 × 想い。集客のための文章に、みんなにとっての「いい文章」は存在しません。伝えたい人に伝わるかどうかが、たったひとつの基準です。

そして4つすべての土台になるのが「自分の実体験があるか」。AIが文章を書ける時代だからこそ、ここが最後の差になります。

📖 この記事でわかること
  • 「読まれる文章」の定義と、それを支える4つの要素
  • 文章が書けないときに、本当に足りていないもの
  • クリックしたくなるキャッチコピーの5つの型
  • Threads・X・Instagramで文字数が違っても変わらないこと
  • 商品を売る文章(セールスライティング)の起点になる2つの感情

オンラインが主流になった社会で、SNSは私たちの生活の一部になりました。写真や動画のプラットフォームが増え、AIが下書きまで用意してくれるようになった今でも、最後に求められるのは文章力です。

一方で「なかなか文章がうまく書けない…」というご相談を、本当に多くいただきます。そこでこの記事では、読まれる文章を書くために必要な4つの要素を、私自身の実践とあわせて解説していきます。

そもそも読まれる文章とは?

みなさんは、人に読まれる文章とはどのような文章だと思いますか。

結論から言うと、自分が好きな人の発信か、興味・関心のあることに対する発信のどちらかではないでしょうか。

どんなに文章が上手な人が書いていても、自分が興味のないことを語られては、よほど好奇心が強い人か目的意識のある人でない限り「つまらない」と感じて読みません。

例えば私は、苦手な食べ物を聞かれると「ジャンクフードとラーメンとビール」と答えます。それぞれ熱狂的なファンがいるもので、ラーメンについては「よさが分からないなんて人生の半分を損しているよ」と友人に言われたこともあるくらいです。

でもラーメンが悪いわけでも、ビールやジャンクフードが悪いわけでもありません。ただ私の好みに合わないので、どれほど熱心に語られても「読みたくないな」と思ってしまう。それだけのことです。

つまり、作家を目指すのであれば「いい文章」の定義があると思いますが、集客をするうえで、みんなにとっての「いい文章」は存在しません。伝えたい人に伝えることができる文章こそが、いい文章だと考えています。

では、自分が発信をするときに何に気をつければいいのか。私が思う「人に読まれる文章」は、次の4つの掛け算です。

  1. 思考力:何をどう伝えれば価値になるかを考える力
  2. 表現力:読み手がストレスなく読める形に整える力
  3. リサーチ力:どう書けば手が止まるかを調べ続ける力
  4. 想い:何のためにやっているのかを先に伝える力

そして大前提として、自分の実体験があることが非常に重要です。実体験があるうえで思考しているか。実体験をどれほどリアリティを持って語れているか。実体験とその考察に関することを、どのくらい調べているか。実体験があるからこそ、どんな想いがあるのか。

これからはAIがあるからこそ、実体験があるかどうかがより一層の価値になります。

【思考力】文章力とは考える力。書けない人は考える時間が短すぎる

ノートに向かって考えている女性

まずは思考力です。ベストセラー『嫌われる勇気』でライターを務めた古賀史健さんは、自著『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の中で「文章力とは考える力だ」と提唱されていました。私もこの考え方には強く共感しています。

なぜなら、何をどのように伝えたら読み手にとって価値のある情報になるか、自分ならではのオリジナリティのある情報になるか、とにかく考えているからです。

よく「文章が書けません」とおっしゃる方の多くは、書こうと思っている文章に対して、思考している時間が少なすぎるケースが非常に多いのです。

ちなみに私は毎週月曜22時にメールマガジンを配信すると決めているので、週の後半から、頭の中でメールマガジンが占める割合が少しずつ増えていきます。つまり考えている時間 > 書いている時間なのです。

文章は結構長めですが、書いている時間の3倍以上は考えているように思います。そして、考えるからこそ文章に価値が生まれます。

例えば今回の4つの要素も、今の私なりの視点で考えてまとめたものです。これが検索すればどこにでも落ちている情報だったら、読んでくださる方の時間を無駄にしてしまいます。だからこそ、面白い情報を伝えられないかと考えるのです。

考えた時間は、そのまま自分の資産になる

「考えると時間が取られて他のことができません」とおっしゃる方もいて、お気持ちはよく分かります。それでも、考えたものは自分の資産になると感じています。

ビジネスは、よほど珍しいキャリアでない限り同じような職業の人がいるはずです。ということは、お客様は商品やサービスの提供者を選ぶことができますよね。

すると何が起きるか。聞いたことのあることしか伝えられない人は、人の記憶に残らないのです。

しかし自分の言葉で定義を伝えてくれたり、価値観をシェアしてくれたりすると「こんな考え方があるんだ、素敵だな」と共感する人が集まってくれます。

もし「書こうと思ったけれど書けない」と思ったら、胸に手を当てて考えてみてください。書こうと思って、本気で考えましたか?

本気の程度は人によると思いますが、例えば私はこうした記事を1〜3時間ほどかけて書いています。1時間かけて書くときは、その3倍の3時間以上は思考しています。騙されたと思って3時間考えてみてください。何も書けないということは、まずないはずです。

【表現力】読んでもらうために気をつけるべきこと

ノートパソコンで文章を書いている手元

想いは必ず伝わるとお伝えしますが、注意して行ってほしいことがあります。文章には、いくつかの型がありますよね。

  • 結論+理由:最初に答えを置き、その後に理由を続ける
  • 起承転結:物語のように流れをつくる
  • PREP法:結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)

型に悩んだら、最初は「結論+理由」がやりやすいと思います。ただ、細かい型を気にする以上にやってほしいことがあります。

それは完成した文章の音読です。必ず読んでみてください。まず改行をしていない文章は、自分でも読みたくないはずです。どんなに素敵な内容も台無しになってしまい、よほどのファンでない限り読んではもらえないと想定しましょう。

音読をして「読みにくい」「リズムが悪い」と思ったら書き直します。読みにくい原因はいろいろありますが、同じ接続詞を使いすぎると読みにくくなります。私は癖で「そして」を使ってしまうので、音読をしては不要なところを削除しています。

文章は才能ではなく、書いた量で決まる

文章は、ちょっと書いてできるようになるものではありません。どんな技術も身につけるには努力が必要で、それは文章も同じです。

私は幼稚園の頃に3年間、毎日、母が絵日記を書かせてくれたことが文章力のきっかけでした。よく泣きながら書いたのを今でも覚えています。

小学4年生の頃は担任の先生が大好きで、その先生が「日記を書いたら先生が返すからみんな書いてね」と言ってくれて、私は毎日書いては文通をするかのように楽しんでいました。このときに文章力を磨き上げることができたので、今でも感謝して年賀状を書いています。

つまり文章は才能ではありません。書いて、書いて、書いて、それでようやくできるようになるものです。ぜひ続けてみてください。

【リサーチ力】クリックしたくなるキャッチコピーの5つの型

スマートフォンで投稿を読んでいる女性

人はどんなにいい人でも、見た目に清潔感がないと話を聞いてもらえない現実がどうしてもあると思います。それくらい第一印象は重要だということです。

冒頭でお伝えした「興味・関心のあることに対する発信」と大きく関係します。どれほど届けたい相手の関心があることを発信していても、タイトルがいまひとつだと読んでもらえません。

SNSでの第一印象は写真やデザインの雰囲気も含まれますが、キャッチコピーもそのひとつ。いえ、キャッチコピーこそ大切です。どんなに素敵な内容を発信していても、「クリックしたい」「続きを読むを押したい」と思ってもらえなければ、その先はありません。

だからこそ「どうしたら自分の理想のお客様がクリックしたくなるか」を常に考え、リサーチをすることが大事です。とはいえ闇雲に調べるのは大変なので、アンテナを張るべきポイントを5つに整理しました。

1つめ|数字を効果的に使う

「広告費20万円以下」「集客率を3倍アップ」のように、具体的な数字を入れます。例えばこんな2つを比べてみてください。

  • 文章に自信がない人もできる!
  • 文章に自信がない人も1分でできる!

おそらく後者のほうが反応します。「夏こそ色白美肌を保つスキンケアアイテム5選」「簡単・節約なのに栄養価◎ 3ステップでできる一品料理」のように、「◯選」「◯ステップ」という書き方もおすすめです。

2つめ|心の底で思っていること、共感するフレーズを入れる

「文章嫌い」「人気のイベントページを真似しても、思うように人が集まらない」など、読み手が心の中で思っていることをあえてキャッチコピーにすると反応されやすくなります。

お客様の声に耳を傾けるとき、ここがポイントなのですが、独り言のようにボソッと言うことに、本音の本音が隠れていることが多いです。

3つめ|限定感のある言葉にする

「先着◯名様限定」「◯月◯日まで」。人は限定があるほど「急がなきゃ」となります。私も1日10食限定という言葉に惹かれてランチをオーダーしたことがありました。迷ったときの背中を押してくれるフレーズだなと思ったものです。

4つめ|常識から「えぇ!」と驚くことを伝える

いいなと思った書籍のタイトルをご紹介します。常識と逆のことを伝えると、驚きと同時に「気になる…!」とクリックしてもらいやすくなります。

5つめ|お客様の声をそのまま書く

「まさか1回でこんなに変わるなんて」(美容・エステ系)、「料理嫌いな私が30分で3品作れるとは…」(料理系)。広告をよく見ていると、お客様が実際に話しそうなフレーズがそのまま使われています。自分で考えた言葉より、お客様の言葉のほうが刺さることは珍しくありません。

ちなみにこのアンテナを張って書いてきた中で、実際に人気だったブログのタイトルはこちらです。

  • 『文章嫌いから卒業!読まれる文章を書くために必要な4つの要素』
  • 『インスタの発信で記事から集客率を3倍アップさせる方法』
  • 『なぜ人気のイベントページを真似しても、思うように人が集まらないのか?』
  • 『広告費20万円以下で1,000万円以上の総売上を作り出すSNS+αとは?』

キャッチコピーの考え方はキャッチコピーの4つの鉄則をまとめた記事でも詳しく解説しています。

【想い】共感を集め、人柄が伝わる文章こそ読まれる

窓辺で手紙を書いている女性

キャッチコピーが大切とお伝えしましたが、クリックして「続きを読む」を押していただいた、その先に何が書いてあると、まだ出会っていないお客様は自分のことを覚えてくれるのでしょうか。

見られる=ファンになる、ではありませんし、現代では印象に残って覚えてもらうことすら、どんどんハードルが上がっています。ここでのポイントが共感です。

商品やサービスのクオリティは、多くの場合、購入したり受けたりしないと分かりません。初めて行く飲食店が美味しいかどうかは、行って食べてみて初めて分かるのと同じです。スマートフォンがどれほど便利かも、買って使いこなしてから「こんなに素晴らしい技術がこの価格で手に入るのか」と感動するものですよね。何事も経験してからです。

しかし、SNSやブログで先に伝えられるものがあります。それが想いです。

  • 何のためにこの仕事をしているのか
  • 普段、どんなことを考えて仕事をしているのか
  • 誰に、どのようになってほしくて仕事をしているのか

直接お聞きすることが一番ですが、SNSやブログの発信でも伝えられます。そして想いがあればあるほど、文章の上手い・下手に関係なく人の心に響く内容になっているので、一番簡単で効果的なのが、共感のある内容を発信することだと思います。

SNSごとに文字数は違っても、4つの要素は変わらない

スマートフォンに表示されたThreadsのアプリアイコン

2023年7月にMeta社がリリースしたThreads(スレッズ)は、2026年6月に月間アクティブアカウント数5億を突破したとMetaが発表しました。日本での利用時間の成長率は前年比130%を超え、同じタイミングで「コミュニティ機能」も日本に導入されています。

リリース直後は「Instagramの温かい世界観の延長線でありながら、気軽につぶやける場所」という位置づけでしたが、3年を経て、テキストで会話をする場としてしっかり定着した印象です。

ここで確認しておきたいのが、媒体ごとの文字数の違いです。

媒体 1投稿の文字数 書き方の重心
Threads 500文字 問いかけて、返信で会話を育てる
Instagram キャプション2,200文字 世界観を見せ、長文で深く伝える
ブログ・note 制限なし 検索から出会う人に、順序立てて説明する
メールマガジン 制限なし すでに知ってくれている人に、想いを届ける

器の大きさが違うので、当然、入れ方は変わります。500文字のThreadsで起承転結を書こうとすると窮屈ですし、逆にブログで一言だけ書いても伝わりません。

それでも思考力・表現力・リサーチ力・想いの4つは、どの媒体でも変わりません。新しいSNSが出てくるたびに書き方をゼロから覚え直す必要はなく、変えるのは器に合わせた分量と密度だけです。

Instagramのキャプションの文字数についてはインスタ投稿の文字数をまとめた記事で、Threadsとの向き合い方についてはThreadsのモヤモヤについて書いた記事で詳しく触れています。

文章で売りたい人が覚えておきたい、2種類のセールスライティング

万年筆とノートが置かれたデスク

ここまでの4つの要素に加えて、おまけとしてセールスライティングの要点もお伝えします。セールスライティングとは、商品やサービスを購入してもらうための文章です。

人が商品を買ったり行動を起こしたりするとき、その起点になる想いは主に2つです。

  • 喜びや快楽を得られるとき
  • 辛い状況や苦痛から逃れたいとき

みなさんもこれまでのことを思い出してみてください。ワクワクしてコスメや洋服を買った瞬間。理想の体型になるために申し込んだサロン。ビジネスを新しくスタートしたいと思って学び始めた講座。きっといろいろ考えて、そのときの自分が納得してお金を支払っていませんか。そしてそのときは、この2つのどちらかが理由ではなかったでしょうか。

いきなり「この商品、すごくいいですよ」と言われて買う人はいません。なぜこの商品がいいのか。その金額を支払っても欲しくなる理由は何か。それをイメージして書くことがセールスライティングです。

セールスライティングをもとにした販売ページ(ランディングページ/LP)は、外注もできます。ただ、LP制作にも携わっている立場から素直に感想を述べると、これからのお客様のために、ご自身でLPを作れるようになってほしいなと思います。365日24時間、動き続ける営業マンを自分で作れるようになるということだからです。

よくある質問(FAQ)

Q
文章が書けないとき、まず何をすればいいですか?
A
書き始める前に、考える時間を先に確保してみてください。「書けない」の多くは書く力の不足ではなく、思考の時間が足りていない状態です。書く時間の3倍を目安に、誰に何を伝えたいのかを考えてから机に向かうと、手が動きやすくなります。
Q
PREP法などの型は、覚えたほうがいいですか?
A
知っておくと便利ですが、優先順位は高くありません。迷ったら「結論+理由」だけで十分です。型を増やすより、完成した文章を声に出して読み、読みにくい箇所を直すほうが効果があります。
Q
SNSごとに書き方を変えるべきですか?
A
変えるのは分量と密度だけで、考え方は同じです。Threadsは1投稿500文字、Instagramのキャプションは2,200文字と器の大きさが違うので、入れ方は自然と変わります。ただ思考力・表現力・リサーチ力・想いの4つは、どの媒体でも共通です。
Q
AIに書いてもらった文章では読まれませんか?
A
下書きや整えの工程では、とても頼りになります。ただAIが持っていないのは、あなたの実体験と想いです。誰と何があって、そのとき何を感じたのか。この部分だけは自分で書く、と決めておくと、AIを使っても読まれる文章になります。
Q
キャッチコピーがどうしても思いつきません。
A
ゼロから考えず、この記事の5つの型から1つ選んで当てはめてみてください。特に効果が出やすいのは「お客様の声をそのまま書く」です。自分の頭の中を探すより、いただいた感想の中にある言葉を探すほうが、はるかに早く見つかります。

まとめ

読まれる文章は、思考力・表現力・リサーチ力・想いの掛け算です。そしてその土台にあるのは、あなた自身の実体験です。

媒体が増えても、AIが下書きを書けるようになっても、この構造は変わりませんでした。むしろ誰でもそれなりの文章が出せるようになったからこそ、「この人が、この経験をしたから書けた文章」の価値が上がっています。

まずは今日、書こうとしていることについて、いつもの3倍の時間だけ考えてみてください。書けないと思っていた原因が、書く力ではなかったことに気づけるはずです。

上村菜穂 プロフィール写真

著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導し、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など、全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施。

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