執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

※この記事は2022年11月に書いたものを、読みやすく整えています。

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

SNS発信の悩みは「読まれない」「ネタがない」「タイトルに困る」の3つに集約されます。どれも「誰に届けたいか」を決めると解決に向かいます。

読まれないのは、情報があふれる中で届け先がぼやけているから。ネタはお客様からの質問の中にあり、タイトルはイメージできるくらい具体的にすると読まれます。印象に残るには「驚き」か「共感」を届けることです。

📖 この記事でわかること
  • SNS発信やブログが読まれない原因
  • 投稿ネタに困らない5つの方法
  • 相手の印象に残る発信の2つのポイント(驚き・共感)
  • 読まれるタイトル・キャッチコピーの作り方

スマートフォンやパソコンが生活の必需品になり、私たちが情報過多の社会に生きていることは、みなさんも実感しているのではないでしょうか。

一人ひとりが発信できる、1億総メディア時代ともいえる今。だからこそ、やみくもに発信していると「発信しているのに読まれないのはなんで!!」というストレスを抱えてしまいかねません。

この記事では、SNS発信でよくある3つの悩み「読まれない」「投稿ネタが浮かばない」「タイトルに困る」について、原因と解決策を順番にお伝えします。

SNS発信やブログが読まれない原因とは

まずは、私たちがどれほど情報に囲まれているのかを確認しましょう。

現代人が1日に触れる情報量は、平安時代の一生分

研修やセミナーでよくご紹介するのが、次のような比較です。

現代人が1日に触れる情報量

=江戸時代の人の1年分

=平安時代の人の一生分

※よく紹介される比較で、厳密な測定値ではありません。それだけ情報量が桁違いに増えている、というイメージとして捉えてください。

現代人が1日に触れる情報量は江戸時代の1年分、平安時代の一生分という比較の図

江戸時代の人が1年間で触れる情報量が、私たちの1日分。想像しただけで圧倒されます。そう考えると、今の私たちの1日分ほどの情報しかない時代に『源氏物語』という大作を書き上げた紫式部の偉大さも、あらためて感じますよね。

「興味あるな」では届かない理由

情報があふれている中では、「なんとなく関係ありそう」な投稿は素通りされてしまいます。

例えば〝Instagramの発信に困っている〟という人にも、いろいろな段階があります。

  • Instagramの機能がよくわからず、ストーリーズやハイライトを使ったことがない
  • 通常投稿の動画とリールの違いがわからない、動画の作り方がわからない
  • ストーリーズ・ハイライト・リールは使っているけれど、発信のネタに困っている
  • いろいろ調べて実践しているのに、集客の結果が出ない

基本的な機能は使いこなしていて集客だけに困っている人に、「リールとは」「リールの使い方は」と伝えても、特に知りたいとは思わないでしょう。

ダイエットでも同じです。「辛いことはしたくないけれど痩せたい」人と、「辛くても頑張るから3か月以内にこうなりたい」という目標がある人とでは、反応するサービスがまったく違います。前者は手軽な方法に、後者は短期集中のパーソナルトレーニングに反応するかもしれませんが、その逆はまず起こりません。

反応する可能性がある人たちだけを見て、「では、どうしたら反応してくれるのか?」と考える。これが、発信の前に必ずやっておきたい準備です。

見つけてもらえること自体が、奇跡に近い

検索の量で見ても、情報の多さは桁違いです。よく紹介される推計では、Googleの検索は1秒あたり約6万3,000回にのぼるといわれています。

少し個人的な話になりますが、2018年に亡くなった大好きな祖母が、父を産む2年前に受け取った服飾の賞状を、父が見つけたことがありました。私が生まれる前どころか、父が生まれる前の話です。それを見て「命はご先祖様からのバトンなんだな」「自分が今ここにいるのは奇跡的なことなんだな」と感じました。

そして、それと同じくらい、オンライン上で見つけてもらうことにはものすごい価値があると思ったのです。さらに印象に残り、実際の購入や問い合わせにつながることは、もっと奇跡的な出来事です。

「発信しても反応がない」と悩む方は少なくありませんが、反応をもらえること自体が奇跡的なこと。だからこそお伝えしたいのは、次の2つです。

  • 気づいてもらうのが難しい中でも、その可能性を上げる方法がある
  • 奇跡的なことだからこそ、その価値を理解して発信できているか

SNSの発信は、よくも悪くも「無料で」「誰でも」できます。だからこそ片手間でもできるし、心を込めずにタスクとして処理することもできてしまいます。一方で、SNSの発信に本気で取り組んでいる人もいます。本気になっていない、あるいはやる気はあっても正しい方法を知らないままでは、結果を出すのはとても難しいでしょう。

投稿ネタ・発信ネタに困らない5つの方法

SNSの発信ネタに困ったときのイメージ

SNS発信を頑張っている人がつい陥ってしまうのが、発信するネタに困ってしまうことです。

もし「発信が続かないのは自分のせい?」と思っているなら、そんなことはありません。頑張っていないことは、悩みにすらならないからです。

私の場合、英検2級は高校2年生で合格したものの、その後は英語を使う場がなく、大学受験では英語に苦戦しました。大学では留学にも憧れましたが、工学部で体育会の練習が週5〜6日あり、とても留学どころではありませんでした。

英語は話せたほうが絶対にいいですし、市場も格段に広がります。日本語を話す人は約1億2,000万人、英語は15億人規模ともいわれます。それでも私が英語を話せないことをあまり問題視できていないのは、そもそも頑張っていないからなのです。

だからこそ「ネタが思い浮かばない!」とモヤモヤしている人は、それだけ発信に意識が向いているということ。まずは関心を持っている自分を褒めてあげてください。そのうえで、具体的な解決策を見ていきましょう。

  1. お客様からこれまでにいただいた質問を書き出す
  2. Googleでキーワード検索をしてみる
  3. Yahoo!知恵袋を使う
  4. 同じジャンルの書籍の目次からヒントを得る
  5. 仕事に対する真っ直ぐな想いを伝える

お客様からいただいた質問にヒントがある

一番のおすすめは「お客様からこれまでにいただいた質問を書き出す」方法です。意外な発見がある、とても大切な方法です。

お金をいただいて商品やサービスを提供しているみなさんは、その分野の知識や経験が多いぶん、「知っていて当然」と思うことが増えています。自分にとって当たり前になっていることが、実はお客様にとっては知りたいことだったりするのです。

「◯◯さんのようなお客様に集まってほしい」と思う方の顔を一人ずつ思い浮かべ、これまでにいただいた質問を書き出してみましょう。意外なことをよく聞かれていたな、と気づくはずです。

「◯◯さん」が決まらないときは、ペルソナとターゲットの違いの記事もあわせて読んでみてください。

Googleのキーワード検索で、求められている情報を知る

「質問を書き出しても尽きてしまった」「これから本格的に始めるので、お客様の質問がまだ少ない」。そんなときはGoogleで検索してみましょう。例えば私なら「集客」と検索します。

「上村菜穂」で検索したときのGoogleの検索結果画面

ここで見るのは主に2つです。

  • 上位に表示されている記事のタイトル
  • 「集客」に関連する検索キーワード
集客に関連する検索キーワードをまとめた解説スライド

「集客 SNS」「集客方法」などの関連キーワードを見ていくと、「そうか、こういうことに悩んでいるんだな」とハッとすることがあります。自分の頭だけで考えず、困っている人たちが必要としている情報に触れてみましょう。

Yahoo!知恵袋には、匿名だからこそ書ける悩みがある

匿名性の高いYahoo!知恵袋には、自分を明かさないからこそ打ち明けられる悩みが集まっています。他の回答者の答えを読むと、観点の違いも見えて面白いです。

私が「集客」で調べたときは、「SNS集客のセミナーは自社サービスの説明ばかりで、情報は少ししか出してくれない」という声を目にしました。私自身はセミナーでの宣伝をコンパクトにまとめ、内容に集中するようにしているので、来てくださる方に満足していただけるよう頑張ろうと、ますますモチベーションが上がりました。

同じジャンルの書籍の目次からヒントを得る

個人事業主のライターを目指していたころに実践していたのが、文章に関する書籍を10冊ほど購入し、ヒントを得るやり方です。

文章術に関する書籍を並べた様子

当時は女子大生で、どうにかして「ライター」としての認知度を上げたいと思い、90日間テーマを決めてブログで文章のノウハウを公開すると決めました。ただ、まだ経験が浅く、「どうしたら上手い文章が書けますか?」という質問に「量!」としか答えられない状態。それならすでに出版している人の知恵をお借りしようと考えたのです。

そのとき決めていたルールは2つです。

  • 「こんなの知らなかった!」という目新しい情報を引用するときは、書籍名とページ数を書く
  • 「私も無意識にやっていたな」と思うことは、自分の体験談と絡めて説明し、丸ごと真似しない

早朝4時半に起きたり、机で20分ほど仮眠をとって深夜2時過ぎまで書いたりしながら、90日間続けました。この発信を続けるうちにライターとして認知してくれる人が増え、個人事業主として独立する大きなきっかけになりました。今でも書籍からたくさんのインスピレーションをもらっています。

仕事に対する真っ直ぐな想いを発信する

お役立ち情報と同じくらい大切なのが、人柄が伝わる発信です。

商品やサービスのスキルの高さは、購入してみないとわかりません。でも、仕事に対する想いは発信することで伝えられます。例えば、次のようなことを書いてみてください。

  • どのような想いで仕事に取り組んでいるのか
  • 何がきっかけで今の仕事をしているのか
  • なぜ今もその仕事を続けているのか
  • お客様にどのように変化してほしいのか
  • 日常の中で学びや気づきになったこと

こうした発信を通して、読んでくれる人に気づきや癒し、前向きな気持ちを届けられると、価値観の合う人が自然と集まってきます。

相手の印象に残る発信をする2つのポイント

発信で人の心に残るために大切なのは、相手の印象に残る存在であること。裏を返せば、相手が誰かに伝えたくなる存在であることです。

「見てもらった」「知ってもらった」からといって、覚えてもらえているとは限りません。2022年に新しい事業を始めたころ、初心に戻って会食やパーティーに出かける機会を増やしたのですが、一度にたくさんの方とご縁があると、記憶に残る方と残らない方がいることを実感しました。SNSでも同じで、人の記憶に残る必要があるのです。

では、何をすれば印象に残るのか。ひと言でいうと、「驚き」か「共感」を届けるメッセージを伝えることです。

人の心に残る発信には驚きと共感が必要であることを示す図

印象に残る発信術1:驚き

驚きとは、新しい発見になる知識や、「この人にはこんな一面もあるの?」という意外性のことです。この記事でいえば、「Googleの検索は1秒あたり約6万3,000回」という数字を知らなかった方は、少し驚いたのではないでしょうか。

私の知人に、東京大学で医学系の研究職に就いている方がいます。その方がなんと、中学生のころはアイドルとして活動していたというのです。「東大=勉強の才能」という私の思い込みがあったぶん、まったく別の才能で評価される世界にいたことがとても意外でした。

こうしたプラスのギャップがあると、人としての幅が広がり、もっとその人のことを知りたくなります。驚きには、人を惹きつける力があります。

印象に残る発信術2:共感

人と違うことは大切ですが、意見があまりにも違うと気持ちよく過ごせません。特にSNSでは、自分が言いたかったことを誰かが言ってくれたときに、多くの人が熱狂する印象があります。

その代表例が、2016年に匿名ブログに投稿された「保育園落ちた日本死ね」です。保育園に落ちるとはどういうことかを知る人たちの間で大きな共感を集め、同じ状況の人が心の中で思っていたことを言葉にしたからこその反響でした。

当時20代半ばだった私は、「主張があるなら、話し合いができる言葉遣いをするべきだと思う」という見解をブログに書き、子育てを経験した方から厳しいご意見をいただいたことを覚えています。私は中学生のころから発信を続けてきて、匿名であっても自分だとわかっても恥じない発信だけをしてきました。

共感を上手に届けるコツは、自分の気持ちに素直になること。そして公の場では、画面の先には人がいるという気持ちを忘れないことです。

素直でストレートな表現ほど強い共感を生みますが、誰かを傷つける言葉が増えることは、私たちにとって決していいことではありません。素直にストレートに伝えつつ、その言葉を刃ではなくエンタメと混ぜて、人を傷つけずに届けられる人は本当にすごいと感じます。

驚きや共感をうまく使うと、誰かがあなたのことを人に伝えたくなります。

読まれるタイトル・キャッチコピーの作り方

印象に残るには、万人ウケを狙わない

「なんかいいこと書いてあるな」では、もう響かない時代です。「あ、私のことだ!」と手を止める言葉でないと届きません。

年齢・住んでいる場所・家族構成・仕事…とざっくり決めたターゲットに向けて発信する人と、「この人のために伝えよう」と決めて絞り込んで発信する人とでは、明らかに後者のほうが結果が出やすいです。いい感じのことを書く時代は終わり、誰にとってのいい文章を書くのか。情報があふれる今こそ、この絞り込みは欠かせません。

キャッチコピー作りがうまい人は、具体化が得意

読まれるキャッチコピーの作り方をひと言でいうなら、イメージできるくらい具体的にすることです。

私は記事の見出しを、仮のタイトルから書き始めています。ある記事の仮タイトルは「読者の心を掴むキャッチコピー」でした。でもこれだけでは、誰のために書いているのかわかりません。そこで、次のように磨いていきました。( )の中は、頭の中で考えていたことです。

仮タイトルを磨いていく過程

読者の心を掴むキャッチコピー

↓(キャッチコピーの本来の目的は、2行目を読んでもらうこと)

発信しているのに読まれないのはなんで?というあなたへ

↓(頑張っている人に届けたいなら「?」より「!」。頑張っているからこそのイライラがある)

「発信しているのに読まれないのはなんで!!」という時に確認したい◯個のチェックリスト

↓(イライラを隠さず、ダイレクトに「ストレス」と表現してみよう)

「発信しているのに読まれないのはなんで!!」というストレスを解消する◯つの秘訣

↓(秘訣は「ターゲットを絞る」「イメージできるくらい具体的にする」の2つ)

「発信しているのに読まれないのはなんで!!」というストレスを解消する2つの秘訣

少し変えるだけで、だいぶ印象が変わりますよね。キャッチコピーについては、キャッチコピー4つの鉄則の記事でも詳しくお伝えしています。

よくある質問(FAQ)

Q
SNSで発信しているのに読まれないのはなぜですか?
A
情報があふれる中で「誰に向けた投稿か」がぼやけていると、「興味あるな」止まりで素通りされやすいからです。届けたい相手を一人に絞り、その人の状況に合わせた言葉で書くと、読まれる可能性が上がります。
Q
投稿ネタが思い浮かばないときは、何から始めればいいですか?
A
一番のおすすめは、お客様からこれまでに受けた質問を書き出すことです。自分には当たり前すぎて気づかないことが、お客様にとっては知りたいことである場合が多くあります。質問がまだ少ない場合は、Google検索の関連キーワードやYahoo!知恵袋も参考になります。
Q
印象に残る発信をするには、どうすればいいですか?
A
「驚き」か「共感」のどちらかを届けることです。驚きは新しい発見や意外な一面、共感は相手が心の中で思っていたことを言葉にすることで生まれます。どちらも、画面の向こうに人がいることを忘れない伝え方が前提です。
Q
読まれるタイトルやキャッチコピーは、どう作ればいいですか?
A
イメージできるくらい具体的にすることです。仮のタイトルから書き始め、「誰に向けたものか」「どんな気持ちの人に届けたいか」「中身はいくつの秘訣か」と一つずつ問い直すと、言葉が具体的になっていきます。

まとめ

SNS発信の3大悩みと、その解決策をお伝えしました。

  • 読まれないのは、情報があふれる中で届け先がぼやけているから。反応する可能性がある人だけを見て考える
  • ネタに困ったら、お客様からの質問・Google検索・Yahoo!知恵袋・書籍の目次・仕事への想いの5つから探す
  • 印象に残るには、「驚き」か「共感」を届ける
  • タイトルに困ったら、イメージできるくらい具体的に磨いていく

発信に気づいてもらい、反応をもらえることは奇跡的なこと。その価値を大切にしながら、一緒に発信を続けていきましょう。

上村菜穂 プロフィール写真
著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施している。詳しいプロフィールはこちら。

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