執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

※この記事は2020年4月に書いたものを、読みやすく整えています。

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

実績がないときの集客は、「上手くいっている人のもとで学ぶ・仲間と始める」「モニターを募集する」「モニターを重ねて強みを見つける」の3ステップで、ゼロから最初の実績をつくれます。

ビジネスのスタートで大切なのは、人と比べた実績ではなく、お客様に価値を提供できること。安価なモニターでお客様と出会い、アンケートで声と改善点を集めていくと、「経験」と「自信」という資産が残り、売り込まなくても自分のサービスを伝えられるようになります。

📖 この記事でわかること
  • 実績がないときに、まず取れる選択肢
  • モニターを募集する理由と、自信がつく仕組み
  • モニター価格の目安と、必ずやっておくこと
  • 集客が苦手な人によくある4つの傾向

何かを始めようと決めるのは、とても素敵なことです。ただ、始めるときには壁があるもので、ビジネスの場合、その壁は集客であることがほとんどです。

今ビジネスが上手くいっている人も、もともとは集客に困っていた、というのはよく聞く話です。つまり、憧れのあの人が乗り越えたように、あなたも正しい努力で、この壁を乗り越えられるということ。では、正しい努力とは何なのか。ここから順番にお伝えします。

上手くいっている人のもとで学ぶ・仲間と始める

私のゼロ地点は、学生向けフリースペースの立ち上げ

誰にでもゼロ地点があるように、私もはじめは実績がありませんでした。14歳のときにメールマガジンで2万人の読者を集めたことを知っている方からは「いやいや」と言われることもありますが、ビジネスの世界に足を踏み入れた21歳のころは、そのことを隠していました。「今はもう続けていないし」「やめて何年も経っているし」という気持ちからです。

そんな大学4年生のとき、戦略ではなくたまたま、新宿で仲間たちと学生が無料で使えるフリースペース「賢者屋」の立ち上げに挑戦することになりました。家賃は企業からの協賛でまかない、優秀な学生と企業が出会える場をつくることを目標にした、創業メンバーの一人でした。

オープン前には「中学校や高校みたいに、壁を黒板にしよう!」と、みんなで壁に黒板用のペンキを塗ったのも、今ではいい思い出です。

学生向けフリースペース「賢者屋」の室内の様子
移転後の学生向けフリースペース「賢者屋」の様子

※途中で場所が変わり、写真は移転後のものです。

学生でありながら、立ち上げたばかりのベンチャーと言っても過言ではない環境でした。企業にアポイントを取って営業に行き、学生を集めるためにほかの交流会に顔を出して場所を紹介し、企業と学生の企画をプロデュースし、オープン後はメンバーで交代しながら店番。工学部で卒業論文も必修だったので、横浜の大学と新宿のフリースペースを、分厚い資料とパソコンを抱えて行き来していました。

仲間と何度もぶつかり合いながらも努力が実を結び、オープンから半年ほどで、月に延べ2,000人の学生が訪れる場所になりました。

一人でできないことは、仲間とやればいい

私はこの場所の初代副代表を名乗らせていただきましたが、今振り返っても「これは絶対に一人ではできなかった」と思います。一人ではできないことを、みんなでやったからこそ、大きな実績を作ることができました。

このフリースペースでの経験があったからこそ、個人事業主として独立でき、時間の融通がきく働き方で祖母の介護を手伝うこともできました。だから私は、一人で事業をつくっていく方を心から応援したいと思っています。

そのうえで、どうしても一人では厳しそうなとき、一人ではできないアイデアが浮かんだときは、上手くいっている人のもとで学んだり、仲間に入れてもらったり、仲間になりたい人に声をかけたりして、一緒に始めるのもいい選択です。それは決して逃げではありません。一人ではたどり着けない未来と、後から驚くような実績が待っているかもしれないからです。

モニターを募集して自信をつける

ここからが、自分で事業を始めたい方に本当にお伝えしたいことです。王道ですが、どんなに理想の価格があっても、まずはモニターとしてお安く提供し、おすすめの声(と、公開はしない改善点)をいただくことがとても大切です。

実績がわからないサービスに、お金を払うのは誰でも不安

効果や実績がわからない商品に、いきなり高いお金を払うのは、ほとんどの人が抵抗を感じます。高額を払う覚悟のある方は、それだけ高い技術を求めるので、始めたばかりの段階ではお応えするのが難しいこともあるでしょう。

一方で、「できれば手頃な価格で、自分にない知識を持っている人と出会いたい」と考える方もたくさんいます。そうした方にとっては、まず接点を持てる金額であることが大切です。体験レッスンに行ったり、お試しで施術を受けたりするのと同じ気持ちですね。だからこそ、まずは知ってもらい、試してもらうためにモニターを募集するのです。

モニターは、目先のお金以上に「自信」をくれる

モニターのいちばんの魅力は、自分のスキルを人に提供する「機会」をつくれることです。機会が増えるほど、スキルは上がっていきます。

私のようなPRのコンサルティングや講師業では、「知る→できる→できるようにしてあげる」というステップがあります。自分がPRや集客の知識を知ってできるようになっても、お客様ができるようにならなければ意味がありません。そのためには、家にこもって研究するだけでなく、どう伝えればお客様が「やってみよう」と思えるのかまで考え、実際に届けてみる必要があります。

私ははじめ、500円でライティング講座を開いていました。場所代や印刷代しかかからないとはいえ、目の前のお金だけで言えば、アルバイトのほうがよほど稼げたと思います。

でもうれしいことに、参加してくださった方がアンケートに加えて、後日、良かったところと改善点を長文でまとめたお手紙をくださったのです。「こんなに教えてもらって500円なんて安すぎる」と、ご自身の時間を使って書いてくださったことが本当にうれしく、何度も読み返しました。このとき私が得たのは、「自信」でした。

ここまでの例はなかなかないにしても、感想をいただき、改善点を素直に直していくと、自分の良いところにもたくさん目が向き、必ず自信がついていきます。

人に教えることが、いちばんの学びになる

資格取得を頑張っているのに、なかなか売上につながらない。そんな方に多いのが、アウトプットの少なさです。質を上げるには、アウトプットが欠かせません。

学び方と記憶への定着の関係を表したものに「ラーニングピラミッド」という図があり、講義を聞くだけより、人に教えるほうが身につくとして紹介されることがよくあります。

ラーニングピラミッドでよく紹介される「講義5%・人に教える90%」といった数字は、研究による裏付けがはっきりしないとされています。数字そのものより、「聞くだけより、実際にやってみたり人に教えたりするほうが身につきやすい」という考え方として受け取るのがおすすめです。

モニターは、まさに「人に教える・提供する」機会そのものです。

モニターを重ねて、自分の強みを見つける

モニター価格の目安

モニター価格は、スタート直後なら0〜3,500円ほどにしている方が多い印象です。経費がかかるサービスは、その分を上乗せしましょう。まったく実績がない段階なら、経費によっては無料でもいいと思います。

私自身そうして良かったと思いますし、この経験談をお伝えして実践してくださったお客様も、材料費ほどの価格でモニターを行っていました。参加費が手頃だと参加しやすく、気に入ったら友人にも声をかけやすくなります。口コミが口コミを呼び、SNSでも人が集まりやすくなって、「経験値」という資産が残ります。

モニターで必ずやっておくこと

価格のハードルを下げる代わりに、モニターの方には必ずアンケートに答えてもらいましょう。あわせて、次のことを募集の時点で伝えておくとスムーズです。

  • お名前は本名・イニシャル・匿名のどれで掲載できるか
  • (美容・リラクゼーション系の場合)写真が必要か、顔がわからないように撮るか
  • 良いことだけでなく、改善点も率直に教えてほしいこと

良いところも、改善してほしいところも、お客様から教えてもらうしかありません。

強みは、お客様が見つけてくれる

客観的な声をいただくと、自分では気づかなかった強みを、お客様が見つけてくださることがあります。

例えばエステサロンでも、技術を求めて通う方もいれば、「◯◯さんに話を聞いてもらえるのがうれしくて」と通う方もいます。肩こりや腰痛を改善したい方は技術を重視しますが、話を聞いてもらうことが癒しになっている方にとっては、技術が高くても話しにくいカリスマの先生では満たされないかもしれません。

お客様が求めていること 選ばれる人
技術 > 癒し 確かな技術で悩みを改善してくれる人
技術 < 癒し 話をじっくり聞いてくれる、話しやすい人

だからこそ、自分の専門分野で、何をどのように求めている人に届けるのかを決め、模索し続けることが大切です。詳しくはSNS集客のコンセプトの記事でお伝えしています。

それは理想とは違うかもしれませんが、できることから積み重ねて、理想に近づいていけばいいのです。ビジネスのスタートで大切なのは、「人と比べた実績」ではなく「お客様に価値を提供できること」。自分が受け手のときも、「同じお金を払うなら、よく知らない人より、親しくしている◯◯さんにお願いしたい」と思うことはありませんか? 実績が少ないうちこそ、たくさんの人に知ってもらう機会をつくり、「この分野なら◯◯さんに相談しよう」と思ってもらえればいいのです。

集客が苦手な人によくある4つの傾向

集客が苦手だと感じている方には、次のような傾向がよく見られます。

  • 自分が確実にできることより、同業の上の人と比べてしまう
  • なかなか自信がつかず、自信を持ってサービスを伝えられない
  • 今の自分でも力になれる人がいるのに、その人たちを見落としている
  • モニターなど気軽に出会える機会をつくっていない、またはつくっていても知らせきれていない

誰かと組むことも一つの選択肢ですが、自分の実力がそのまま評価されるモニターで、上手くいく人が増えたらいいなと思っています。努力できる範囲でいちばん良いサービスを、お得な価格で提供すれば、SNSで紹介してもらいやすく、友人にも声をかけやすくなります。友人に必要なさそうなら、「周りに◯◯で困っている人がいたら」と伝えると、紹介につながることも少なくありません。

SNSで集客したいところですが、認知も実績もまだない段階なら、直接声をかけるのも一つの手です。今SNSで楽々と集客できているように見える人の多くも、最初はこうした地道なことを積み重ねてきています。価値がうまく伝わらないときは、専門用語がないかを見直し、「つまり、どんな変化があるのか?」という視点で考えるとわかりやすくなります。

自信がつくと、売り込まなくなる

お客様の声が集まっていちばん良かったのは、自信がついたことです。自信がついてから、肩に力を入れて「売り込もう!」とすることは一切なくなりました。

結果を出してくださったお客様がたくさんいると、必要そうな方に断られても、「伝え方の何が悪かったかな」と6割は反省しつつ、「目の前のお客様と頑張ろう」と4割は開き直れます。断られる=自分が否定されている、ではないと、身をもって感じられるのです。自信がないまま仕事をしていたころに大きなショックを受けていたからこそ、そう思います。

人に感謝され、「このサービスはいい」とたくさんの人に言っていただけると、それは自分の思い込みではなく客観的な事実になります。だから、「このサービスでこんなふうに変われます」と、SNSでもリアルでも自信を持って伝えられるのです。モニターで手に入れた「経験」と「自信」という目に見えない資産は、月日が経った今、何十倍にもなって生きています。

モニターで得られるもの その後に生きること
お客様の声 強みが見つかり、紹介文や実績として伝えられる
改善点 早めに直すことで、独自性が生まれることもある
満足度などの数字 「満足度◯%」「3か月で◯名」と書けるようになる
自信 売り込まなくても、サービスの価値を伝えられる

よくある質問(FAQ)

Q
実績がないと、集客はできませんか?
A
できます。ビジネスのスタートで大切なのは、人と比べた実績ではなく、目の前のお客様に価値を提供できることです。モニターなどで出会いの機会をつくり、お客様の声を集めることで、小さな実績は少しずつ積み上がっていきます。
Q
モニター価格はいくらにすればいいですか?
A
何も実績がないスタートの段階では、0〜3,500円ほどにしている方が多い印象です。材料費などの経費がかかるサービスは、その分を上乗せしましょう。私自身もはじめは500円で講座を開いていました。
Q
モニターで必ずやっておくことは何ですか?
A
アンケートに答えてもらうことです。あわせて、名前を出してよいか(本名・イニシャル・匿名)、写真が必要か、良いことだけでなく改善点も率直に教えてほしいことを、募集の時点で伝えておくとスムーズです。
Q
一人で始めるのが不安なときは、どうすればいいですか?
A
上手くいっている人のもとで学んだり、仲間と一緒に始めたりするのも一つの方法です。それは決して逃げではありません。一人ではできないことをみんなでやることで、後から驚くような実績がついてくることもあります。

まとめ

  • 一人で厳しいときは、上手くいっている人のもとで学んだり、仲間と始めたりするのも立派な選択
  • まずはモニターで、お客様と出会う機会をつくる
  • モニターでは必ずアンケートをとり、声と改善点を集める
  • 強みは、お客様の声の中から見つかる
  • 声が集まると自信がつき、売り込まなくても価値を伝えられるようになる

この記事とご縁があった方のビジネスが、上手くいきますように。

上村菜穂 プロフィール写真
著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施している。詳しいプロフィールはこちら。

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