執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

Instagram(インスタグラム)のインサイトの見方に、全業種共通の正解はありません。見るべき数字は「その投稿を見た人に、次に何をしてほしいか」で決まるのです。

知ってもらいたい投稿なら閲覧数とリーチ、役立つ情報なら保存・シェア・平均視聴時間、お問い合わせにつなげたい投稿ならプロフィールへのアクセスとリンクのタップ、そして実際のお問い合わせ件数。目的を先に決めてから数字を開くと、次の改善点が見えてきます。

📖 この記事でわかること
  • いいねが少なくても、見込み客に届いている可能性がある理由
  • 保存とシェア、閲覧数とリーチの意味の違い
  • 投稿の目的別に、どの数字を見ればよいか
  • 数字を次の投稿の改善につなげる3つのステップ

先日、Instagramの個別相談会をしていたとき、こんなご相談がありました。

「Instagramのインサイトって、結局どこの数字を見ればいいんですか?」

たしかにInstagramには、フォロワー数、いいね、保存、シェア、閲覧数、プロフィールへのアクセス、平均視聴時間など、たくさんの数字があります。これだけ並ぶと、どれを優先すればいいのか迷ってしまいますよね。

この記事では、一人でお店やサロン、教室を運営している方、個人で事業をしている方に向けて、インサイトの見方を「投稿の目的」から整理します。

最初にお伝えしたいのは、すべての業種で、同じ数字を追いかける必要はないということです。

「いいね」が少ない=反応が悪い、ではない

例えば、飲食店や観光施設の投稿。

「おいしそう!」「ここに行ってみたい!」と思ったら、気軽にいいねを押したり、友人にシェアしたりできます。

一方、AGAクリニックや結婚相談所の場合はどうでしょうか。

サービスに興味があっても、そのことを周囲に知られたくない方もいらっしゃいます。投稿をじっくり読んで、プロフィールを確認し、ホームページまで見ている。それでも、いいねやコメントはしない。こうした行動は十分に考えられるのです。

反応しやすい業種と、反応しにくい業種

業種のタイプ 表に出やすい反応 見落としやすい行動
気軽に反応できる業種
(飲食店・観光施設など)
いいね・コメント・シェア 反応が多いぶん、来店につながったかの確認が後回しになりやすい
人に知られたくない業種
(AGAクリニック・結婚相談所など)
表に出る反応は少なめ じっくり読む・プロフィールを見る・ホームページへ移動する

つまり、表に見える反応が少なくても、見込み客に情報が届いている可能性があるのです。

もちろん、いいねも大切な反応のひとつです。ただ、いいねが多い投稿だけを「良い投稿」と判断してしまうと、本当に興味を持ってくれている方の行動を見落としてしまうかもしれません。

「保存」と「シェア」は、同じ反応でも意味が違う

私がインサイトを見るときに意識しているのが、数字の背景にある行動です。

保存とシェアは、どちらも「良い反応」としてひとまとめにされがちです。けれど、その先で起きていることは違います。

数字 考えられる気持ち 例
保存 「後からもう一度読みたい」「必要なときに見返したい」 税理士さんの「確定申告で気をつけたいこと」
シェア 「あの人にも教えたい」「友人と一緒に検討したい」 飲食店の「季節限定のランチ」から「今度ここに行かない?」の会話へ

どちらも大切ですが、同じ意味ではありません。

もちろん、数字だけで相手の気持ちを断定することはできません。ただ、「なぜ、この投稿は保存されたのだろう?」「なぜ、シェアされたのだろう?」と考えることが、次の投稿を改善するヒントになるのです。

投稿の目的別に、見るべき数字を変える

では、実際にどの数字を見ればよいのでしょうか。私なら、投稿の目的によって次のように考えます。

投稿の目的 見る数字 見るときの注意点
新しい人に知ってもらいたい 閲覧数/リーチしたアカウント数/フォロワー以外への広がり 閲覧数とリーチを分けて見る
役立つ情報を届けたい 保存/シェア/リールなら平均視聴時間 平均視聴時間は同じくらいの長さの動画と比べる
お問い合わせにつなげたい プロフィールへのアクセス/リンクのタップ/お問い合わせ件数 インサイトの外にある記録も一緒に確認する

新しい人に知ってもらいたい投稿は、閲覧数とリーチ

見る数字は、閲覧数、リーチしたアカウント数、フォロワー以外への広がりです。

ここで気をつけたいのが、閲覧数とリーチの違いです。似ているようで、意味が違います。

  • 閲覧数:投稿が見られた回数
  • リーチ:投稿が届いたアカウントの数

同じ人が何度も見た場合、閲覧数は増えても、リーチは変わらないことがあります。たくさん見られたのか、たくさんの人に届いたのか。この2つを分けて考えることが大切です。

役立つ情報を届けたい投稿は、保存・シェア・平均視聴時間

保存が多い投稿は、「また見たい」と思ってもらえた可能性があります。リールなら、どのくらいの時間見てもらえたのかも参考になります。

ただし、平均視聴時間は動画の長さによっても変わります。15秒の動画と60秒の動画をそのまま比べても、正しい判断はできません。なるべく同じくらいの長さの動画同士で比べてみてください。

お問い合わせにつなげたい投稿は、プロフィールへのアクセスとその先

見る数字は、プロフィールへのアクセス、リンクのタップ、そしてお問い合わせ件数です。ここは、特に大切だと思っています。

投稿を見てプロフィールに来てくれたとしても、その先のホームページに移動しなければ、なかなかお問い合わせにはつながりません。

反対に、プロフィールへのアクセスは多くなくても、実際にお問い合わせや予約が入ることもあります。

Instagramの数字が伸びることと、仕事の成果は同じではない

例えば、次の2つの投稿を比べてみてください。

  • 1万回見られたけれど、お問い合わせはゼロの投稿
  • 500回しか見られていないけれど、お問い合わせにつながった投稿

認知を広げる目的なら、前者にも価値があります。ただ、集客が目的であれば、後者の方が成果につながっていると考えられるのです。

ここで気をつけたいのは、Instagramの中で数字が伸びることと、仕事の成果が出ることは、必ずしも同じではないという点です。

ホームページからのお問い合わせや来店予約は、Instagramのインサイトだけでは把握できないこともあります。次のような記録も一緒に確認できると、より正確に成果を振り返ることができます。

  • お客様から「Instagramを見ました」と言われた件数
  • 予約・お問い合わせの記録(いつ、どの投稿の後に増えたか)

インサイトを開く前に、ひとつだけ決めておくこと

インサイトを開く前に、ぜひ一つ考えてみてください。

「この投稿を見た人に、次に何をしてほしいのか?」

知ってほしいのか。覚えておいてほしいのか。誰かに紹介してほしいのか。お問い合わせをしてほしいのか。

その目的が決まると、見るべき数字も絞りやすくなります。

そして、数字を確認したら、そこで終わりにしないこと。

  • 保存が多かった投稿:同じテーマで、もう少し詳しい情報を届けてみる
  • プロフィールへのアクセスは多いのに、お問い合わせが少ない:プロフィールの文章やリンク先を見直してみる

こうして、数字を次の行動につなげることが大切なのです。

今週やってみたい3つのステップ

直近の投稿を3つ選んで、見比べてみてください。

  1. Step 1:それぞれの投稿で、見た人に何をしてほしかったのかを書き出す
  2. Step 2:その目的に合った数字だけを確認する
  3. Step 3:次の投稿で、改善することを一つだけ決める

いいねが多かった投稿だけでなく、保存された投稿、シェアされた投稿、プロフィールへのアクセスにつながった投稿にも目を向けてみてください。

よくある質問(FAQ)

QInstagramのインサイトは、どのアカウントでも見られますか?
Aインサイトを見るには、アカウントをプロアカウント(ビジネスまたはクリエイター)に切り替える必要があります。切り替えると、投稿ごとの数字とアカウント全体の数字を確認できるようになります。画面上の表示名や場所はアップデートで変わることがあるため、迷ったときはアプリ内の表示を確認してください。
Q閲覧数とリーチは何が違うのですか?
A閲覧数は投稿が見られた回数、リーチは投稿が届いたアカウントの数です。同じ人が何度も見ると閲覧数だけが増えるため、「たくさん見られた」のか「たくさんの人に届いた」のかを分けて考えるのがおすすめです。
Qいいねが少ない投稿は、失敗なのでしょうか?
Aいいねの数だけで失敗とは言えません。人に知られたくないサービスでは、投稿をじっくり読んでプロフィールやホームページを見ても、いいねは押さない方が少なくありません。投稿の目的に合った数字(保存やプロフィールへのアクセスなど)も合わせて確認してみてください。
Q保存とシェアは、どちらを重視すればよいですか?
A投稿の目的によって変わります。後から見返してほしい情報なら保存、誰かに紹介したくなる内容や友人と一緒に検討してほしい内容ならシェアが目安になります。どちらも大切ですが、意味は同じではありません。
QInstagram経由のお問い合わせは、インサイトだけでわかりますか?
Aホームページからのお問い合わせや来店予約は、インサイトだけでは把握できないことがあります。お客様から「Instagramを見ました」と言われた件数や、予約・お問い合わせの記録も一緒に振り返ると、より正確に成果を確認できます。

まとめ

Instagramのインサイトは、単に投稿の成績をつけるためのものではありません。

「どんな情報が相手に届いたのか」「次は何を改善すればいいのか」を考えるための手がかりです。

大切なのは、数字を増やすことだけではなく、その先にいるお客様の行動を想像すること。

それだけでも、これまでとは違う発見があるかもしれません。

Instagramでの集客を体系的に学びたい方は、Instagram集客セミナーのページもご覧ください。

上村菜穂 プロフィール写真
著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。これまでに500件以上のSNSアカウントを個別に指導。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施している。詳しいプロフィールはこちら。

🎯 数字の「その先」を読む視点を、毎週お届けしています

Instagram集客の考え方や最新情報は、毎週月曜22時のメールマガジンでお届けしています。セミナーの開催情報も、メールマガジンで最初にお知らせします。

▶ メールマガジンに登録する