執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)
Instagramは女性の利用率が高いSNSです。けれど「20〜30代の女性のもの」という前提は、もう置いていったほうがいいのです。総務省の令和7年度調査では、Instagramの利用率は女性63.4%・男性46.2%。20代82.6%・30代76.6%と若い世代が中心である一方、40代でも67.1%、50代でも54.4%の方が使っています。
この記事では、Instagramが20〜30代の女性にこれほど愛された3つの理由をたどりながら、その3つが、広がったあとの今もそのまま効いていることを見ていきます。
- Instagramの国内利用者数と、年代別・男女別の利用率(公表されている最新の数字)
- Instagramが20〜30代の女性に愛された、3つの理由
- 利用が40代・50代へ広がった今、発信する側が何を見直せばいいのか
Instagramを使っているのは、いま誰なのか
この記事をはじめて書いたのは2021年でした。
当時、日本国内のユーザー数として引用できる最新の公式発表は、2019年に出た「月間アクティブアカウント数3,300万」というものだったのです。
その後、国内の具体的な数字は長いあいだ公表されませんでした。動きがあったのは2023年11月。Metaが「日本の月間アクティブアカウント数は、2019年に公表した3,300万人から4年の間に倍以上に広がっている」と発表しました。ここから、国内の利用者は6,600万人以上と読み取られています。
世界に目を向けると、月間アクティブユーザー数は30億人以上(2025年9月時点)。もはや「若い女性が写真を上げる場所」という説明では、まったく足りない規模になっているのです。

では、その6,600万人はどんな人たちなのでしょうか。総務省が毎年おこなっている調査の、最新版(令和7年度・2026年6月公表)を見てみます。
女性のほうが高い。その傾向は変わっていません。
けれど男性も46.2%と半数近くまで来ていて、40代の3人に2人、50代の2人に1人がInstagramを使っているのが、いまの日本なのです。
出典:Meta「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」/総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」/コムニコ「日本国内・国外人気SNSユーザー数ランキング」
Instagramが20〜30代の女性に愛された3つの理由
ここからは、数字ではなく、私が現場で見てきた話です。
なぜInstagramは、これほどまでに20〜30代の女性に受け入れられたのでしょうか。理由は3つあると考えています。

「◯◯しながら□□できる」が、いちばん刺さる
30代の女性は、お仕事に家庭にプライベートにと、忙しい方が本当に多いのです。
ワークライフバランスという言葉があるくらいですから、そのバランスをどう取るのか、それぞれに創意工夫が必要な時期なのでしょう。
子育てに、お仕事に、人によっては介護に。自分のこと以外で忙しい世代だからこそ、「◯◯しながら□□できる」に心が動くのです。
たとえば「寝ているだけで綺麗になれる」。
お料理なら「見た目も味も楽しめる」。一度で二度おいしい、という感覚です。
以前、SNSと経済効果を扱ったテレビ番組で、都内のホテルのビュッフェが取り上げられていました。パティシエの方が「味だけで3時間もたせるのは難しい。けれど見た目も楽しんでいただくことで、3時間を過ごしてもらえる」という趣旨のことを話されていて、それがずっと心に残っています。
Instagramもきっと同じなのでしょう。
「食べにいきながら、可愛い写真が撮れる」。このウォンツを、Instagramは静かに満たしてくれたのです。
自分のタイムラインが、好きなものだけで埋まっていく
誰にとっても、自分の好きなものを見ている時間は幸せな時間です。
それをそのまま形にしてくれるのが、Instagramなのだと思うのです。
自分のプロフィール画面には、長い文章も並びません。「いいね」の数も、タップしなければ目に入りません。並んでいるのは、自分が選んだ一枚だけ。
お気に入りの一枚を選んで投稿する習慣とあわさって、「自分の画面を見返すこと」が、そのまま「好きなものを見る時間」になるのです。
そしてこの「=」が成り立つと、次はこうなります。
「もっといい写真を撮ろう」
「またいい写真が撮れないかな」
写真を撮ることに、アンテナが立ちはじめるのです。夢中になる方が多いのも、うなずける気がします。

個人的な感覚ですが、タイムラインの整い方は、クローゼットの整い方と似ている気がしています。
好きなものだけを残し、要らないものは手放す。その取捨選択ができる方は、Instagramでも「お気に入りだけが並ぶ画面」をつくれるのではないでしょうか。
ちなみに私のアカウントは@nahouemuraです。よろしければのぞいてみてください。
検索の入口が、GoogleからSNSに移った
3つ目は、「検索」の場所が変わったことです。
ネット記事の写真は、プロの手でセレクトされたものが多く、書かれていることもいいことが中心になりがちです。
いっぽうSNSでは、ほとんどの方がスマートフォンで撮影しています。
自分と同じ立場の人が綺麗な写真を撮っていたら、やっぱり気になるのです。しかも文字列を追わなくても、目に入った瞬間に「これいい」と選べます。
とくにコスメとカフェは、その傾向が強いのではないでしょうか。
私も気になるコスメはInstagramで見てみます。使用感を動画にしている方もいれば、写真だけでも「こんな重ね方もあるのですね」と驚かされることがあります。
カフェなら「表参道ランチ」のようなハッシュタグで検索をして、気になるお店を探すのです。
プロの撮影でなくても、綺麗なもの・美味しそうなものは目に留まります。そしてその場で交わされているリアルな感想こそが、いちばん知りたかった情報だったのです。
「女性のSNS」から、暮らしのインフラへ
さて、ここでもう一度、最初の数字に戻ります。
こう並べると、Instagramが「一部の人のもの」から「多くの人の暮らしのなか」へ移っていったことが見えてきます。
では、さきほどの3つの理由は古くなったのでしょうか。
私はむしろ逆だと思っています。
「◯◯しながら□□できる」の切実さは、40代・50代になるほど増していくものです。同じ総務省の調査では、SNSを見る・書く時間は平日で女性が43.3分、男性が29.0分。忙しさのなかで、それでも開かれているのがSNSなのです。
「検索の入口」も同じです。40代の67.1%がすでにInstagramにいるということは、そこで探しものをしている方が、それだけいるということなのですから。
3つの理由を、発信する側から見直す
ここまでは「使う側」の話でした。同じ3つを、発信する側の問いに置きかえてみます。
- 「ながら」に入り込めているか:あなたの投稿は、読者さんの何かの「ついで」に受け取ってもらえる形になっているでしょうか。学ばせようとしていないか、という問いでもあります。
- 見返したくなる画面になっているか:ご自身のプロフィールを開いてみてください。自分が見返したいと思える並びでしょうか。人が保存したくなる画面は、たいてい自分でも見返したくなる画面です。
- 探されている言葉が入っているか:「表参道ランチ」のように、探す側が使う言葉。それがプロフィールやキャプションに入っていなければ、どれだけ素敵な写真でも見つけてもらえないのです。
3つとも、フォロワー数とは関係のない話です。だからこそ、今日から見直せるところでもあります。
もう少し体系的に学びたい方は、Instagram集客セミナーのページもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Instagramは今も女性のほうが利用率は高いのですか?
はい。総務省の令和7年度調査では、女性63.4%・男性46.2%で、女性のほうが高い状態が続いています。ただし男性も半数近くまで来ているため、「女性しか見ていない」という前提で設計するのは、もう実態に合わないのです。
40代・50代のお客様にも、Instagramで届きますか?
届きます。同じ調査で40代は67.1%、50代は54.4%が利用しています。60代でも36.1%です。年代で「いる・いない」を判断するより、その方が何を探しているかで考えるほうが、いまは現実的なのです。
国内のユーザー数について、最新の公式発表はどれですか?
具体的な人数として公表されたのは、2019年3月時点の3,300万が最後です。その後2023年11月に、Metaが「4年で倍以上」と発表したことから、6,600万人以上と読み取られています。世界全体では30億人以上(2025年9月時点)です。
写真のセンスに自信がなくても続けられますか?
続けられます。この記事の2つ目の理由が、そのまま答えになります。上手に撮ることより、「自分が見返したいと思える並びかどうか」。好きなものを選んで残していくうちに、写真のほうが後からついてくるのです。
まとめ
Instagramが20〜30代の女性に愛された理由は、「ながら」で満たされること、見返したくなる画面になること、そして探しものの入口になったこと。この3つでした。
数字の上では、利用者は当時の倍以上に広がり、40代・50代にも定着しました。
けれど、人が「いいな」と感じる仕組みそのものは、そう簡単には変わらないのです。
だからこそ、追いかけるべきは新機能ではなく、この3つなのだと思っています。
マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施している。詳しいプロフィールはこちら。
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