書店に行くと、パッと目があったかのように

「これ買おう」

と即決をしたくなる書籍と出会うことはありませんか?

 

私にとってそんな一冊が今回ご紹介するこちらの書籍

『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』

 

著者:洞田貫(どうだぬき) 晋一朗 氏

でした。

 

 

 

森美術館はSNSの総フォロワーが

2019年6月時点で41万人超えと

美術館のアカウントの中で日本一を誇ります。

 

 

 

 

そんな森美術館のSNS担当者である著者、洞田貫さんが

実際に行ったことやその施策の背景をまとめてくださっている一冊です。

 

 

私のように無形サービスの個人自業主では応用できないところもありますが、

そうした前提の違いこそあっても

学べることをまとめてみました。

 

 

特に印象に残ったのは、

・「生の声」こそが、SNSで人の心を動かすもの(P35)

・広告や催促ではない投稿で人の心を開く(P98)

というものです。

 

 

ほかの視点として、森美術館だからできたのだけど勉強になった!という点は、

・前代未聞の試み『プール割』の効果(P41)

・作品について語りすぎない(P83)

です。

 

 

そして森ビルの2代目社長である森稔さんが

「文化や芸術は、経済より上にあるべきもの」(P48)

というお考えに一貫しているところです。

 

 

 

SNSを通して人の心を動かすためには?

 

「SNSを発信するときに目の前にあるものは

スマートフォンやPCだけれど、その先にいるのは必ず人です!」

 

ということをこれまで講座やコンサルティングで

お伝えさせていただきました。

 

 

著者の洞田貫さんもこの視点を一貫しており、

森美術館の17万人フォロワーいるInstagramアカウント(2020年10月、現在は18.5万人超え)

であっても、17万人に発信をするのではなく、

1対1で発信をする気持ちで書いているとお伝えされています。

 

「家族や友達に話しかけるときと同じ気持ちで投稿を考える。

これが、自分のアカウントを愛されるアカウントに変える

基本的なマインドである。」(P46)

 

 

だからこそ宣伝っぽくならないように、

距離感を大切に、撮影もご自身で行い、

プロが撮影したものではないものを使っていると。

 

多くの企業さんはプロの方が撮影をし、

「いかにも宣伝!」

というクオリティの写真を流しているところを

多くお見かけします。

 

確かにクオリティの綺麗さは間違い無いのですが、

実際に私がInstagramのタイムラインを見ていると

広告と間違えてしまうようなお写真なのです。

 

「あ、これ広告ではなく◯◯(企業名)さんのアカウントなんだ」

と思ったことが何度かあります。

 

 

その宣伝っぽさがなく、自然に溶け込むのは

無意識だけれど心を開く大切な要素のように思います^^

 

 

 

他の実例として(P34)

2017年に開催された『レアンドロ・エルリッヒ展』では

現代アートの、作品の中に入って一緒になって楽しむことができる。

鑑賞者が参加することによって、作品が完成する。

 

という特性を活かし

これまで、静まり返った部屋で

額に入っている作品を黙って見る美術館のイメージを崩し、

来館者がワイワイと作品の中に入って

写真を撮影しあっていたようです。

 

 

そしてこれを自由に撮影して、

SNSでアップしてもらう。

 

この流れが来た人の「生の声」を伝える仕組みになっていました。

 

 

 

この点は私のような無形サービスの個人だと全てを反映はできませんが、

 

・SNSは1対1というマインドで発信をする

・自然体なクオリティに自信を持つ。

自分で撮影をした写真、自分の言葉を大切にする。

 

ということは、共通するものだと思いました。

 

 

 

特に無形であれば、

「自分の言葉」が大切になり、

これについてはまた後日お伝えしますが

 

「この作品が良かった!」

「この作品が綺麗だった!」

 

ではなく

 

・なぜこの作品が良かったのか?

・なぜこの作品を「綺麗」と感じたのか?

 

ということまで〝考えて伝えること〟が、自分の言葉になると思います。

 

 

金沢21世紀美術館との連携、『プール割』の効果とは!?

前代未聞の試み『プール割』の効果という見出しになんだろう?と思うと、

9月に訪れた金沢21世紀美術館でした。

 

なんと、金沢21世紀美術館でインスタ映えと有名なプールは、

レアンドロ・エルリッヒが作ったものなので

『レアンドロ・エルリッヒ展』のときに、

金沢21世紀美術館の写真を見せたら入館料が割引になるキャンペーンをされていたそうです。

 

こちらも個人だと真似はしづらい施策ですが、

アイディアとして離れた土地であっても連携をしているのは非常に面白いと思いました。

 

 

 

 

 

SNS はミッションがベースにあってこそ成り立つもの

sns-pc.jpg

非常に共感をした内容で、(P53~54)

 

「もともと森美術館には、『アート&ライフ』をモットーに

生活の中のあらゆる場面でアートを楽しむことができる豊かな社会の現実』

というミッションがあります。

 

(中略)

 

その点で撮影可能を現実にしていきたことは、

実に森美術館らしい試みだと思っています。」

 

と書かれていました。

 

 

私もSNS集客セミナーの内容の一番最初に

「理念に基づいた発信をしている」

ということをお伝えしていますが、

まさにこの視点です。

 

 

<SNSの存在>

↓   ↑

<自分の理念>

 

を切り分けて考えてしまっている人が少なくありません。

 

 

けれど、理念があるからこそ

〝あなたらしいアカウント〟が作れるのです。

 

 

 

例えば私の場合は

女性が自分らしいことを仕事にして豊かなライフスタイルを送る』

ということをコンセプトにしているので、

 

Instagramでは自分の趣味、

つまり豊かなライフスタイルを意味する

アート鑑賞や、素敵なレストランもご紹介をしています。

 

 

その豊かなライフスタイルを実現するために

好きな時間や場所で働けるビジネスをして

自立することが大切だと思っていますし、

 

自立をする = 売上を上げる

 

ために、その入り口で集客も必要になると思っています。

 

 

 

この考えなので、

Instagramでもセミナー情報ばかりの宣伝ではなく

ライフスタイルを投稿しており

結果として理想のお客様とたくさん繋がれています。

 

 

みなさんは何のためにお仕事をしていますか?

理念に基づいたSNSの発信ができていますか。

 

 

もしこの表現を

具体的に文章や写真セレクトなど

どのように投稿したらいいのかわからなかったら

お気軽に個別コンサルティングへお越しください。

 

 

 

あえてSNSでは、作品について語りすぎない

文章上の注意点として「作品について語りすぎない」

と書いてありました。(P83)

 

これは

・こういう展示会をやります

・こういう作品があります

という事実のみにとどめ、なるべくユーザーの感性にゆだねるのが美術館SNSのあるべき姿だと思っています。

ということでした。

 

これについては、私はもともと反対意見で

「商品の背景(ストーリー)はしっかり伝えるべき」

と今まで言ってきたので意外な視点でした。

 

有名どころの成功事例として

・北欧、暮らしの道具店

→商品、一つ一つの紹介が会社の人たちのレビュー付きなのも魅力で非常にわかりやすい。

 

・NiziU (詳しくは先日分析をした記事を書いています。)

→InstagramではなくYouTubeですが、

オーディションの時のことを載せていて、ストーリーが伝わってくる。

があります。

 

それによって、ますますファンになる素晴らしい発信だと思っています。

 

 

ということに対し、美術というものは答えがないので

どう感じるのかが一人一人自由であってこそ、というのがアートの魅力なので

あえて説明は不要ということでしょうか。

 

ちょっとここがまだ腑に落ち切っていないのですが、

「アートは自由であるものだからこそ、

偏見を感じさせないことが目的」

と推測をしています。

 

 

一番ここで気がつかせてもらったのは、意見が違ったからこそ

何でもかんでも「商品の背景(ストーリー)はしっかり伝えるべき」

と一つのやり方として伝えるのではなく、

商品の背景(ストーリー)はしっかり伝えたときに

・見ている人はどう思うのか?

・その反応は、今回伝えたい商品やサービスにプラスになるのか?

までしっかり考えるべきなのだと思いました。

 

 

 

いかがでしたか?

「そうそう!」と頷きながら読み進めるところもあれば、

「こんな視点があったんだ!」と新鮮な気持ちや学ぶことがたくさんある

読んで本当に良かった一冊でした。

 

本日もご一読をありがとうございました!

 

 

 

 

上村菜穂 プロフィール

女性集客講師

〝SNS初心者でも半年で月10名を集客できるメディアづくり〟をコンセプトに
自身の開催イベントでは女性を延べ1,000名以上集客してきた。

そのノウハウを法人・コミュニティ向けに東京・大阪・福岡をはじめとした全国で
延べ2,000名以上に向けて講演活動をするほか、
女性起業家向けの集客・PRコンサルティングを主軸に事業を行っている。

Google、Yahoo、いずれもの検索エンジンの『女性集客 インスタ』にて1位を独占。


ライターとして、20代女性向けの集客やPRを強みに、2015年に学生から個人事業主として独立。
14歳でメールマガジン20,000人・恋愛部門1位を取得。歴代最年少記録。

女性が自分らしいことを仕事にして、豊かなライフスタイルを送れる社会をつくるべく、今後は女性起業家のコミュニティー形成を目標にしている。

■主なメディア・法人実績 (敬称略)

・研修講師
「楽天大学」(株式会社楽天)
「ロートビューティーマイスターへSNS集客&プロモーション研修」(ロート製薬株式会社)
「お客様から愛されるSNSのお作法
〜集客UPにつなげるプレミアムレッスン〜」(秋田県信用保証協会 創業支援チーム 女性創業支援 チームポラリス)
半年間のサロンオーナー様向けアカデミー研修講師(株式会社UTP)
女子大生向けの人生設計を講演(株式会社サイバーエージェント)(株式会社マイナビ)など。

・ライター
「by.S」(株式会社サイバーエージェント)、「起業サプリジャーナル」(株式会社ネオキャリア)、「GOLMAGA」の女性向け企画・ゴルフ美人インタビューの企画、インタビュアー(東急電鉄)、福島 震災復興取材(近畿日本ツーリスト)、「家事大学」(株式会社ベアーズ)など。

・その他
秋田魁新報社(2019/10/26、2019/10/30)掲載
「おはよう日本 まちかど情報室」(NHK)
2016年五月祭にて「教育のできない人は起業を諦めなさい」(東京大学)
会員数34万人の日本最大級Webメディア『Schoo』に出演など。

 

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