執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)
自分の強みを生かすうえでいちばん邪魔になるのは、「これを言ったら図々しいと思われないか」という遠慮です。
2016年に読んだ一冊の本から受け取った、①現状への不満を行動に変える ②自分の強みを素直に受け止めて使う ③キャラクターを立てて発信し続ける、という3つの視点を、一人で発信する人の目線でまとめました。
- 不満を愚痴で終わらせる人と、行動に変える人の分かれ目
- 自分の強みを「そんなことないです」で流してしまうことの損失
- 発信でキャラクターが立つとはどういう状態か
- 読んだ本を、自分の行動に落とし込むための考え方
2016年に『女子高生社長、経営を学ぶ』(椎木里佳さん・著)を読みました。当時わたしはライターとして独立したばかりで、線を引いたり書き込んだりしながら夢中で読んだのを覚えています。
その後もときどき思い出すのは、本に書かれていた出来事そのものではなく、読みながら自分に返ってきた3つの問いのほうでした。今回はその3つを、一人で発信している方に向けて書いてみます。
その不満は、愚痴で終わるのか、燃料になるのか
本を読んでいて最初に驚いたのは、順調に見える時期に「まだこんなところにいるのが納得できない」と感じている、という趣旨の記述でした。周りから見れば十分な成果が出ている場面で、本人はまったく満足していない。
不平や不満は、誰でも感じます。特にいまはSNSを開けば、誰かの不満がいくらでも流れてきます。分かれ目は不満を持つかどうかではなく、それを外に向けるか、自分の燃料にするかです。
発信に置き換えると
「フォロワーが増えない」「見てもらえない」と感じたとき、その感情の置き場所で次の行動が変わります。アルゴリズムのせいにして終わるのか、いまの投稿の何が伝わっていないのかを見に行くのか。同じ不満から、まったく違う半年が始まります。
自分の強みを、素直に受け止めて使えているか
2つめは、周りから「あなたにはこういう要素がある」と言われたときに、それを否定せず「じゃあ全部使っていこう」と受け取る姿勢です。
日本では謙虚さが美徳とされるぶん、褒めていただいても「そんなことないです」と反射的に返してしまう方がとても多いです。わたし自身もそうでした。けれど、その一言で、相手が見つけてくれた自分の価値をその場で捨てているとも言えます。
強みは、自分の内側を掘って見つけるものだと思われがちですが、案外他人から渡されているものです。渡されたときに受け取れるかどうか、それだけの差だったりします。
キャラクターが立つとは、思い出してもらえる状態のこと
3つめは、発信を続けるうえでのポジションの話です。本の後半では、経営者であっても個性や特性を前に出して、目立ち、発信し続けることが大事だという趣旨のことが語られていました。差別化・発信力・継続力の3つが基本になる、と。
キャラクターが立っている状態とは、目立って派手にふるまうことではありません。「このテーマといえば、あの人」と思い出してもらえる状態のことです。
何を見せて、何を見せないかを決める
本の中で印象的だったのは、SNSでは自分のきれいな部分に反応がつく、という感覚が語られていたことです。裏を返せば、どこを見せてどこを見せないかを、意識して選んでいるということでもあります。
これは飾ることとは違います。等身大でいることと、何でも出すことは別ものです。10年前に読んだこの感覚は、生っぽさと信頼感が求められるいまのSNSでも、そのまま効いていると感じます。
本を読んだあと、何が変わったか
この本の後半は、上場企業の経営者であるお父様が、起業から上場に至るまでの話が中心になっています。組織をまとめるうえで覚悟しておくこと、会社を大きくする過程での成功と失敗。一人で仕事をしている立場でも学べることが多く、そちらはぜひ本文を読んでいただきたいところです。
わたし自身に残ったのは、冒頭の3つでした。特に2つめの「強みを素直に受け止める」は、その後の発信の仕方をはっきり変えたと思います。褒めていただいたことを打ち消さずにメモしておく。それだけで、書くべきテーマが増えていきました。
読んだ本から何を持ち帰るかは、読む側の状況で変わります。同じ一冊でも、いま自分が向き合っている問いのところだけが太字になって見えるのだと思います。
気になった方は、こちらから手に取ってみてください。『女子高生社長、経営を学ぶ』(椎木里佳・著/ダイヤモンド社)
よくある質問(FAQ)
自分の強みが、どうしても見つかりません
自分の中を探すより、これまで人から言われた言葉を集めてみてください。「いつも〜だよね」と何度も言われることがあれば、それが強みの候補です。自分では当たり前すぎて価値だと思えていないことほど、人から見ると際立っています。
強みを出すと、自慢しているように思われないでしょうか
「私はすごい」と書けば自慢に見えますが、「こういう方のお役に立てます」と書けば案内になります。強みそのものではなく、それを誰のために使うのかまでセットで書けば、受け取り方は変わります。
キャラクターを立てるために、無理に個性を作るべきですか
作る必要はありません。必要なのは、扱うテーマを絞ることと、それを続けることです。何を言う人なのかがはっきりしていれば、話し方が控えめでもキャラクターは立ちます。むしろ作り込んだ個性のほうが、長く続けるのが難しくなります。
ビジネス書を読んでも、行動に移せません
全部を実行しようとするからです。1冊から持ち帰るのは3つで十分だと思っています。読み終えたあと、何も見ずに思い出せたことだけを書き出してみてください。そこがいまの自分に必要な部分です。
まとめ
現状への不満を燃料に変えること。人から渡された強みを、打ち消さずに受け取ること。何を言う人なのかを決めて、続けること。この3つは、環境がどうであっても始められることばかりです。
比べる相手は、恵まれて見える誰かではなく、昨日の自分でいい。10年前に線を引きながら読んで、いま思い出しても変わらないのは、そこでした。
マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施している。詳しいプロフィールはこちら。