今の時代、SNSを開けば、本当にたくさんの「お役立ち情報」で溢れていますよね。
もちろん、それは素晴らしいことです。

でも、一方で、
「なんだか情報が多すぎて疲れちゃう…」
「常に『いいね!』やコメントを気にしないといけないのが、少しプレッシャー…」
そんな風に感じている方も、少なくないのではないでしょうか。

「どこまで頑張ればいいの?」と思うことや、
「誰の役に立てばいいの?」と思うこともありますよね。

私自身も「常に有益な情報を発信しなくては!」と少し肩に力が入っていた時期がありました。

そんな中、SNSとの付き合い方に、新しい風が吹き始めているのを感じています。
それが、冒頭でお伝えした「ゆるい繋がり」を求める傾向なのです。

 

注目される「ゆるい繋がり」とは?


では、「ゆるい繋がり」とは、一体どのようなものでしょうか。
それは、深入りしすぎず、 お互いに負担にならない、 心地よい距離感を保った人間関係のことです。
SNSに落とし込むと、具体的には以下のような特徴が挙げられます。

  • 共通の趣味や関心事での限定的な繋がり
    特定の趣味(例えば、好きなアーティストやカフェ巡りなど)や話題、目的だけで繋がっていることが多いです。 その範囲外のプライベートな情報には深入りせず、お互いの生活に過度に干渉しません。
  • 精神的な負担が少ない
    常に連絡を取り合ったり、相手の投稿に必ず反応したり、といった義務感が少ない関係です。 「既読スルー」や「未読スルー」にも比較的寛容で、自分のペースでSNSを利用できます。
  • 希薄だが心地よい関係性
    濃密な関係ではないものの、完全に孤立しているわけでもない。 必要な時や気が向いた時に、緩やかに繋がれる安心感があります。
    無料で利用できるボイスチャット、テキストチャット、画面共有などができるコミュニケーションツールの『Discord (ディスコード)』では、「タグなしフレンド」という言葉が流行っており、まさにこの特徴を表しています。
  • オンライン中心の関係
    必ずしもオフラインでの交流を前提とせず、オンライン上でのやり取りで完結することが多いのも特徴です。

みなさんの周りでも、このような繋がりが増えていると感じることはありませんか?

なぜ今、「ゆるい繋がり」が心地よいのか


この「ゆるい繋がり」を求める傾向の背景には、一体どのような心理があるのでしょう。

一つは「情報過多」と「お役立ち疲れ」です。
SNSには、専門家やインフルエンサーの方々による本当に質の高い情報が、日々たくさん発信されています。
それは、私たちにとって大きなメリットです。

しかし、その全てを吸収しようとすると、どうしても疲れてしまうのも事実。
「お役立ち情報は、本当に必要なものだけでいいな…」
「それよりも、もっと気軽に共感できるものが見たいな…」
そんな風に感じている方が増えているのです。

そしてもう一つ、非常に大切なのが
「自分軸」と「共感・参加欲求」の高まりです。
他人の評価よりも、自分の価値観を大切にする。

そんな「自分軸」の考え方が、情報も選択肢が無限にあり
多様性のある(ジェンダーだけではなく働き方など広義の意味で)
今の時代により一層広まっています。

だからこそ「有益な情報」だけを追い求めるのではなく、

  • 「わかる!」「私もそう思う!」と共感したい
  • 専門家ではないけれど、自分の経験や知識を誰かのために役立てたい
  • コメントで教えてあげたい

といった、より人間らしい、温かい感情や欲求がSNS上で高まっているのを感じます。

例えば私が運用しているグルメアカウントで
2つのエピソードからもこの感情や欲求を感じました。

一つは私が「◯◯◯(エリア名)でおすすめのレストランを教えてください」と
Instagramのストーリーズで投稿したときのことです。

もちろんお気に入りのレストランのコメントばかりだったのですが
中には「△△△(店名)がいいらしいです」という回答があったことにも驚きました。

直接1対1のコミュニケーションで私がお相手の方に質問したのな
自分が知っていることで体験談がない場合、聞いた情報を答えることはあると思います。

ただ、SNS上で特定の誰かに聞いたわけではなく、
不特定多数の人に投げた質問でも
「自分が知っていることを教えてあげたい!」
と思って書いてくださったのでしょう。

私の場合は個別で聞かれたときに、体験談がなければ知っている情報を答えるものの
全体への投げかけでは、体験していないことは、
よっぽど仲良い人の発信ではない限り書かないので、面白い切り口だと思いました。
(ご回答いただけることはとても有り難かったです^^)

つまり、「全体への投げかけには、ゆるく答えやすい」というのは、
まさに今のSNSの“ゆるい参加文化”の象徴だと思いました。

もう一つの事例もあります。
それは3回訪問済みでお気に入りの日本料理店を自分のアカウントで投稿したときに
コメントで「日本料理が好きなら△△△(店名)もオススメですよ!」とあったことです。

これは正直なところ、
「ありがとうございます」という気持ちと
「他店のおすすめは聞いていないので、コメントはしないでほしい(せめてDMにしてください)」
と思ってしまいました。教えていただいて申し訳ないのですが。

というのも、例えばこのメールマガジンを読んでくださっている
みなさんが私の講演のことを、いいふうにSNSで紹介してくださったとします。

そのコメントに
「SNS集客×AIなら◯◯さんもオススメですよ!」
と入っていたら、ちょっとショックだからです。笑

ショックまでいかなくても、
競合をわざわざ公の場で言わなくても・・と思ってしまいます。

もちろん、コメントしてくださった方に悪意などなく
善意だということも想像ができるからこそ、余計に複雑な気持ちです。

その日本料理店さんは、SNSに力を入れている感じではないので、
わざわざチェックはしないと思いますが、
「自分の持っているいい情報を教えてあげたい」という気持ちと
「でもこれをほかの人が見たらどうなんだろう?」と考える心は
どちらも持っている発信者の人が増えてほしいなと思いました。

そうまとめると、私のこれまでの常識と
ゆるさが空気感として広がりつつある新しい常識は、
矛盾するところもありそうですが

トレンドは大切にしつつも、誰かを傷つけるためにあるのではなく
(傷までいかなくとも不快だと思わせるなど)

21世紀のコミュニケーションの場であり、
画面の先に人がいることを常に忘れずに発信と向き合っていきたい
と思いました。

「ゆるい繋がり」を意識したSNS活用術


では、この「ゆるい繋がり」を、私たちのビジネスや情報発信に、
どのように活かしていけば良いのでしょうか?

大切なのは「売り込む」のではなく、「仲間」として繋がり、
自然と応援したくなる関係性を築くことになっていくでしょう。

お役立ち情報は「厳選」して「体験談」をプラス

専門知識をただ並べるのではなく、ご自身の体験談や、時には失敗談、
そして読者の方々の悩みに寄り添う言葉を添えてみましょう。

「参加型」の企画で一体感を育む

アンケートを実施したり、質問コーナーを設けたり、時には読者の方々と一緒に何かを作り上げるような企画も検討しましょう。

「教えてください!」スタンスで、コメント欄を活性化

完璧な情報提供を目指すのではなく、
「〇〇について、皆さんはどう思いますか?」
「こんな時、どうされていますか?ぜひ教えてください!」
と、積極的に問いかけてみましょう。

実は、人は「教えたい」という欲求を持っていることが多いのです。
特に上記でご紹介した2つのエピソードも
この「教えたい」という欲求が根底にあるからこそですよね。

「ゆるい繋がり」のデメリットと注意点

「ゆるい繋がり」にはメリットがある一方で、注意すべき点もあります。

信頼構築に時間がかかる可能性も

「ゆるい繋がり」は、その性質上、深い信頼関係の構築にはやや時間がかかる場合があります。
しかし、焦って関係性を深めようとするのではなく、
長期的な視点で少しずつ信頼を積み上げていくことが大切です。

一貫性の維持のある発信を意識

「ゆるい繋がり」を重視するあまり、あなたの専門性や軸となるメッセージがぶれてしまわないよう注意が必要です。
フォロワーさんとの距離感や投稿の親しみやすさは変えても、
あなたのビジネスの軸や提供価値は一貫させることで、長期的な信頼関係が築けます。

ブランディングとの両立を意識

「等身大の自分を見せる」ことと「専門家としてのブランディング」のバランスに悩むことがあるかもしれません。
この点については、「弱さを見せること」と「無責任であること」は異なるものだと理解しておきましょう。
失敗談を共有する場合でも、そこから学んだことや改善策も一緒に伝えることで、むしろ信頼性が高まることがあります。

「ゆるい繋がり」が創り出す、新しいSNSのカタチ

これからのSNS集客は、一方的な情報発信の場ではなくなっていくでしょう。
読者の方々との「ゆるい繋がり」を大切に育み、共感と参加を促す、双方向のコミュニケーション。
それが、新しい時代のスタンダードになっていくはずです。

今回もご一読をいただき、ありがとうございました。

「ゆるい繋がり」のデメリットと注意点でご紹介をした『ブランディングとの両立を意識』ですが
これに関する内容を東京都が運営するTOKYO創業ステーション様にて800名規模のセミナーで登壇します。

2025/05/29(木)
19:30~20:40(19:20開場 場所 : オンライン(Zoom))

ビジネスの成功につながる!Instagramパーソナルブランディング戦略

<定員800名>インスタ(Instagram)×ブランディングセミナー登壇【主催:Startup Hub Tokyo丸の内様】

 

情報過多な時代だからこそ、誰が発信するのか?がますます大切になっています。
選ばれる発信者になるためには何が大切なのかを知りたい方はぜひご参加ください。
ぜひ5/29(木)のセミナーでお会いしましょう!

上村菜穂 プロフィール

上村菜穂.jpg

株式会社PR NET 代表取締役

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせたSNSからの女性集客を専門としている。
14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成。当時の歴代最年少記録を保持。
2021年に株式会社PR NETを創設。
個人、法人の500以上のSNSを個別で指導。登壇は(公財)東京都中小企業振興公社、東京大学、楽天、ロート製薬、ダイハツ工業、東芝テック、POLA、サイバーエージェント、商工会議所、新潟のミスユニバース・ファイナリスト(敬称略)など、全国で延べ12,800名の方へ行っている。

経歴
14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成。当時の歴代最年少記録を樹立。
大学4年次に新宿にて月間2,000名以上が来場するフリースペース『賢者屋』を創業メンバーとして立ち上げ、初代副代表を務める。同施設内で女子大生を対象に将来を考える企画『なでしこ大学』を運営。

2015年、建築系の大学院を中退し、個人事業主のライターとして独立。
日刊ゲンダイの『コクハク』、東急グループ『ゴルマガ』、株式会社ネオキャリア『起業サプリジャーナル』、株式会社サイバーエージェントの月間500万PVを誇る『by.S』で執筆。

2017年、女性起業家向けにSNS集客セミナーやInstagram集客セミナーを行い、個人のHPとSNSで集客講師の活動を開始。SNSやマーケティングの専門用語をわかりやすく伝え、具体的な実践方法が好評を集め、全国の大手・中小企業、商工会議所・商工会・青年部、ミスユニバースでも講演を行う。

2021年、株式会社PR NETを創設し、代表取締役に就任。
主に『研修・講演事業』『個別コンサルティング』『SNSの運用代行』を行う。
研修・講演事業では延べ12,800名以上、個別の指導は個人・法人で累計500アカウント以上。運用代行では0から立ち上げたTikTokアカウントがフォロー、いいね周り、広告なしの運用で、2年間でフォロワー数6万人を達成。
近年はSNS×AI×Webマーケティングで中小企業の支援をしている。

◆研修実績(敬称略)
ダイハツ工業株式会社/楽天株式会社/東芝テック株式会社/株式会社ロート製薬/株式会社キャリアカレッジジャパン/株式会社UTP/株式会社オモロー

◆講演実績(敬称略)
(公財)東京都中小企業振興公社/東京大学/株式会社ポーラ/株式会社サイバーエージェント/株式会社マイナビ/ベストオブミス新潟/株式会社Schoo/株式会社エディターキャンプ/東京商工会議所/草津商工会議所/久喜市商工会/石岡商工会議所 青年部(石岡YEG)/秋田県信用保証協会/リバーサイド千秋/NU茶屋町/港南台バーズ/紙屋町シャレオなど

■仕事で訪れた都道府県 (47分の14)
・秋田・新潟・東京・神奈川・愛知・大阪・滋賀・広島・福岡⁡・長野・埼玉・千葉・群馬・茨城

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