執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

※この記事は2015年7月、フリーランスとして独立した年に書いたものを、読みやすく整えています。

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

底辺にいるということは、自信をつける最高の環境です。

何度も「底辺」を味わい、周りの人に助けてもらいながら抜け出してきた経験があったから、答えのない「グレーエリア」であるフリーランスという道も怖くありませんでした。底辺を塗り替えた経験の数だけ、自分を信じられるようになります。

📖 この記事でわかること
  • 学生からいきなりフリーランスになった理由
  • 起業家にとって大切な「グレーエリアを生きる」という考え方
  • 底辺にいた経験が、自信に変わる理由
  • 今「自分は底辺にいる」と感じている人へ伝えたいこと

色々な方とお会いする中で、よくいただく質問があります。それは、「なぜ就職をしないで、学生からいきなりフリーランスになったのですか?」という質問です。

これまでは「色々な方の応援があって、条件が揃ったから」といった曖昧な答えをしていたのですが、どうも腑に落ちませんでした。「なぜ、私はいきなりフリーランスになったのだろう?」。いい答えが見つからなかったのですが、ここ数日で、2つのヒントのおかげで答えが見えました。

1つ目のヒントは、とある本から

高級スーパー「成城石井」や焼肉「牛角」の持株会社の役員を歴任し、日本人で唯一、創業した会社をGoogleへ売却することに成功した経営者・加藤崇さんの著書『未来を切り拓くためのステップ ―起業を目指す君たちへ―』を読んでいたときのことです。

この本は若い人向けに書かれた起業のバイブルで、「自分らしく生きよう」と感じられる一冊です。どんな経験からでも何かを収穫して、その後に生かしている加藤さんの思考回路が、至るところに刻まれています。例えば、プロの経営者としての基本的な素養である「組織をまとめ、人を導く力」は大学時代の柔道部の経験で身につけた、というエピソード(P39〜)などです。

起業家にとって一番大切なのは、グレーエリアを生きること

本の中(P68〜)に、加藤さんがオーストラリアへ留学したときの同級生で、これまでに3つの会社を起業し、そのうち2つを大手企業に売却した生粋の起業家・アレックス氏との会話が書かれていました。当時、起業に興味はあるものの何も知らなかった加藤さんは、彼にこんな質問をしたそうです。

『未来を切り拓くためのステップ』より

加藤さん:「アレックス、どうやったら君みたいに三つも会社を作って、そして自分の会社を他の人に売却するなんていう、魔法みたいなことができるんだ?」

(しばらくの沈黙)

アレックス氏:「いいかい、起業家にとって一番大切なのは、グレーエリアを生きることだよ」

加藤さん:「グレーエリアの意味について、もう少し具体的に教えてくれるかい?」

アレックス氏:「ビジネスのほとんど全ては、論理なんかでは導かれないんだ。だから起業家にとっては、積極的にグレーエリア(正解がない、白黒はっきりしない世界)を突き進んでいくことが何よりも重要なんだ。白黒つかないグレーなものに対応する力をつけ、グレーエリアの中を生き抜くんだよ。結論なんか、そもそも最初から分かりはしないし、状況によって変わるんだ。全てを最初から予測することなんてできないからね。だからとにかく自分でバランスを取りながら、走り抜けることが大切なんだ」

グレーエリア。白黒がつかない、正解がわからない世界。そして、何が正解かもわからない未知へと進んでいく、起業という道。私は、このグレーエリアを選択しました。

グレーエリアが怖くなかった理由

「いきなりフリーランスって、怖くなかったですか?」と聞かれることもあります。怖かった…かもしれません。完全に怖くなかったと言ったら嘘になりますが、人に聞かれて思うほど、実はそう怖くはなかったのです(どちらかというと、大学院にまで行かせてくれた両親に伝えることが、唯一にして一番怖かったことでした)。

「なぜ、私はこのグレーエリアが怖くなかったのだろう?」。その答えは、意外なところから見つかりました。

2つ目のヒントは、ある女子大生のプレゼンテーション

私は3ヶ月間、「3rd Class」という授業のレポーターを務めていました。「あったらいいな」の授業を提供するというコンセプトのもと、プレゼンテーションのインストラクターの資格を持つ、同い年で2年以上の付き合いになる仲間の井上さんが立ち上げた事業です。「生徒たちの第三の場所でありたい」という想いから名付けられました。

ハーバード大学で講師をされていた方、スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏を取材した写真家の方、元NHKアナウンサーの方など、豪華なゲストをお呼びしている授業です。私は、元NHKアナウンサーの相澤静先生による「女子力×コミュニケーション」という話し方を中心とした授業でレポーターをさせていただき、その最後の授業での出来事でした。

未知なる自分への質問の答えは、ある女子大生のプレゼンテーションに隠されていました。

「私はこのクラスに初めて来たときに感じたことがあります。みんなプレゼンテーションが上手くて、しっかりしていて、私はダメだなって…。クラスの底辺だと感じました。

だけど、底辺だからこそ、努力をするしかない!とわかったので、ほかの人より伸びしろがある!と信じ込み、頑張ることができました。このクラスのみんなはとても魅力的で、目的が明確で、人に恩送りをできていて…。そんなみんなが集まる3rd Classは、私にとって2nd Placeでした!」

彼女は一見、オシャレが大好きな女子大生。尊敬している人も、ギャル系の可愛いモデルさんだと言っていました。ところが、クラス全員で取り組んだ毎日の報告LINE(自分の目標は何で、今日は何を達成できたのか、など)では、毎朝6時にクラスで一番に報告をし、みんなが怠けたくなってしまったときも、進んで報告をしていました。誰の目にも見えるほど、ものすごく努力をしていたのです。

「底辺」。この二文字が、私の心に響きました。

私も1年前は「底辺」にしかいなかった

なぜなら私も、1年前は「底辺」にしかいなかったからです。それも、頑張っているものほど。

  • 大学時代の部活:休みの日も練習し、朝5時に起きてひとりで朝練をしても、自分のタイムすら更新できず底辺のまま
  • 4年次に運営していた、月間2,000人の学生が集まるフリースペース:営業も企画もできない。パワーポイントすらまともに使えず、集客もできない。プレゼンテーションも本当に下手で、ここでも底辺
  • そのほかでも:数値で言えば、みんなより10倍は成果が出せず、空回りの連続

こんなに「底辺」ばかりつきまとって、何度悔しい想いをしたことでしょう。だからこそ、空回りしながらも、人の倍動けばどうにかなると信じて動き回っていました(今思えば、少し違ったのですが)。

結果が出ないのは辛い。けれど、辛いという一言ではまとめられないくらい、惨めさ、恥ずかしさ、悔しさ、悲しみ…。色々な負の感情に襲われるけれど、それでも動き回っていると、手を差し伸べてくれる人が必ずいます。

その人たちに助けてもらいながら、解決策の糸口を必死に探していたら、時間はかかっても、結果が少しずつついてきました。ずっと底辺にばかりいたけれど、周りの人たちのおかげで努力をし続けたら、底辺だらけの人生が変わったのです。

だから、グレーエリアの起業(私の場合、正しくはフリーランス)という選択も、グレーどころかブラックを味わってきたから怖くなかったのだと、言い切ることができます。

自分を信じられるのか、信じられないのか。その感覚は、底辺などのブラックを、ホワイトに塗り替えた人にしか味わえないと思います。

今、フリーランスですごく楽しい

今、フリーランスとして働いていて、すごく楽しいです。もちろん、「こんな結果では、クライアントさんに申し訳ない」「なんでこんなに知らないことばかりなんだろう」「お世話になっている方に、結果を全然返せていない」と、自分の出来の悪さや未熟さを痛感することもあります。

けれど、それより楽しいことのほうが何倍も、何十倍も大きいです!自分らしいことをして、自分にしかできないことを探して、誰にも描かれていない道を選んで進み、成長していく。

だから私は、同世代でもっと自分らしい仕事をして、「仕事が楽しい!」と心から思える人を増やしたいです。それで最近、20代前半の女性起業家のコミュニティをつくろうと、少しずつ動いています!

私も、自分が成功するかはわかりません。まさに未知のグレーエリアです。けれど、私はこれまで何度も何度も、底辺から上がってきました。だからこれからも、たぶんブラックは訪れると思うけれど、必ずそれ以上のホワイトに塗り替えて、一段上がれると信じることができるのです。

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よくある質問(FAQ)

Q
自分は「底辺」にいると感じたら、どうすればいいですか?
A
底辺にいるということは、あとは塗り替えるだけ、ということでもあります。私も部活・フリースペース運営・仕事のどれでも底辺からのスタートでしたが、動き回っていると手を差し伸べてくれる人が必ずいました。周りの人に助けてもらいながら努力を続けることで、少しずつ結果がついてきました。
Q
就職せずにいきなりフリーランスになるのは、怖くなかったですか?
A
まったく怖くなかったと言えば嘘になりますが、思ったほど怖くはありませんでした。何度も底辺を味わい、そこから抜け出してきた経験があったからです。一番怖かったのは、大学院まで行かせてくれた両親に伝えることでした。

まとめ

みなさんは、底辺にいたことはありますか?もし今、「自分は底辺にいる」と感じている人がいたら…もうあとは塗り替えるだけです。動き回って、頑張ってほしいと思います。

底辺にいるということは、自信をつける最高の環境である。ひとつのモヤモヤがすっきりしたので、私もまた頑張ります!^^

上村菜穂 プロフィール写真
著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせた、SNSからの女性集客を専門としている。14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成(当時の歴代最年少記録)。個人・法人の500件以上のSNSアカウントを個別に指導。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。全国で延べ15,000名以上へ講演・研修を実施している。詳しいプロフィールはこちら。

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