SNSマーケティングにおいて、ペルソナの声を「聞くべき場面」と「聞かなくていい場面」の境界線を正しく引くことは、
一人起業家・個人事業主が発信で成果を出すための最重要スキルです。
結論から言うと、「感情・悩みの声は聞く、解決策の提案は聞かない」という基準を持つことで、ブレない発信が実現します。

「全員に応えたい」が、発信を弱くする

発信を続けていると、必ずこんな場面に出会います。

 

それは一つの行動に対して、

お客様から相反する言葉をいただくことです。

 

無形サービスなら

「もっとわかりやすくしてほしい」

「内容が簡単すぎる」

などの真逆のフィードバックが、同時に届く瞬間です。

 

私自身も、研修講師として800人を超える場に立つことがあります。
SNS集客やAI活用をテーマにお伝えするとき、参加者のレベルは本当に様々です。

「早すぎて何を言っているのかわからない」
「もっとレベルが高いことを教えてほしかった」

この両方の声を、同じ日にもらったことがあります。

最初はとても戸惑いました。どちらの声に応えればいいのか。全員に満足していただきたいという気持ちが、私の軸をどんどんぼやかしていったのです。

たくさんの声が届けば届くほど、受け止めきれなくなっていく感覚、ありませんか。

これは、意志が弱いのでも、プロ意識が足りないのでもありません。
「誰に届けるかの軸」が定まっていないときに、必ず起きることなのです。

SNSマーケティングで持つべき「ペルソナの声」との境界線

マーケティングの世界に、こんな言葉があります。

「顧客に何が欲しいかと尋ねていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」

ヘンリー・フォードが語ったとされるこの言葉は、今もSNSマーケティングの本質を突いています。

ペルソナの声は、大切です。
でも、すべての声に応えることとは、まったく別の話なのです。

私が数々の研修を経て、ようやく腑に落ちたことがあります。
それは、「目的最適」で設計するということです。

まず最初に確認するのは、主催者の目的です。このイベントは何のために開催するのか。
誰を、どんな状態にしたいのか。

ここをしっかり理解した上で、「今回は誰に届けるか」を自分の中で決める。

そうすると、はっきり言い切れるようになります。

「多少満足いただけない方がいるのは、仕方がない」と。

これは冷たさではありません。プロとしての誠実さです。
全員に70点を届けようとする発信より、特定の誰かに120点を届ける発信の方が、人の心に深く残ります。

聞くべき声・聞かなくていい声【具体例で整理】

SNSマーケティングの現場で、私が実際に使っている境界線の基準を具体例とともにお伝えします。

✅ 聞くべき声:感情と悩みの言葉

これらはペルソナの「本質的な課題」を教えてくれる声です。
一人起業家・個人事業主のSNS発信において、コンテンツ設計の材料として積極的に活用してください。

「インスタが難しくて、始める前から疲れてしまう」
→ 本質:失敗への恐れ、完璧主義のプレッシャー
→ 活かし方:「完璧じゃなくていい」という安心感を届けるコンテンツを設計する

「時間がなくて、発信が続かない」
→ 本質:優先順位の迷い、自分への自信のなさ
→ 活かし方:短時間で成果が出る仕組みや、継続できた事例を届ける

「フォロワーはいるのに、売上につながらない」
→ 本質:発信と販売の導線がつながっていない不安
→ 活かし方:集客から購買までの流れを図解や事例でわかりやすく伝える

感情が動いている言葉の裏には、
必ず「本当に解決したいこと」が隠れています。その声は、丁寧に拾ってください。

❌ 聞かなくていい声:解決策の提案

一見「ご意見」に見えますが、実は相手が自分なりに考えた「手段の要望」です。SNSマーケティングの戦略設計は、プロであるあなたが担う部分です。

「もっと投稿の頻度を上げてほしい」
→ 本質:情報をもっと受け取りたいという期待感
→ でも:頻度を上げることが正解とは限らない。質と導線の設計が先です

「価格をもっと下げてほしい」
→ 本質:価値がまだ十分に伝わっていない、購入へのリスクを感じている
→ でも:値下げは解決策ではありません。信頼と実績を届ける設計を見直す

「こういうテーマで記事を書いてほしい」
→ 本質:その分野への関心や悩みがある
→ でも:リクエスト通りに動くと、発信の軸がブレていきます。テーマの背景にある感情だけを参考にする

患者さんが「この薬を処方してほしい」と言っても、医師がそのまま従わないのと同じです。
解決策を設計するのは、プロであるあなたの役割なのです。

ペルソナの声と正しく向き合うための3つの基準

SNSマーケティングでペルソナの声を活かすために、私が意識している基準を整理します。

基準① 誰に届けるかを先に決める

すべての声に応えようとする前に、「今回の発信は誰のためか」を明確にすること。
ターゲットが決まれば、自然と聞くべき声が見えてきます。

基準② 感情と悩みの声を材料にする

ペルソナが「どんな言葉で悩みを表現しているか」は、発信のコピーや切り口に直接活かせます。
感情の声は、コンテンツの質を上げる最高の材料です。

基準③ 解決策の主導権は渡さない

一人起業家・個人事業主が発信でブレる最大の原因は、ペルソナの「手段の要望」に引っ張られることです。
解決策を設計する主導権は、常に自分が持つことが大切です。

まとめ:SNSマーケティングにおけるペルソナの声との正しい距離感

ペルソナの声を聞くことは、SNSマーケティングの基本です。
でも、すべての声に応えることは、あなたの発信を弱くします。

一言で表すなら、こうです。

「感情は受け取る。解決策の主導権は渡さない」

全員に刺さる発信は存在しません。でも、特定の誰かに深く刺さる発信は、必ずつくれます。

あなたの発信に「主導権」はありますか?ぜひ一度、見直してみてください。


 

上村菜穂 プロフィール

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株式会社PR NET 代表取締役

マーケティングの本質×SNSのトレンドを掛け合わせたSNSからの女性集客を専門としている。
14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成。当時の歴代最年少記録を保持。
2021年に株式会社PR NETを創設。
個人、法人の500以上のSNSを個別で指導。登壇は(公財)東京都中小企業振興公社、東京大学、楽天、ロート製薬、ダイハツ工業、東芝テック、POLA、サイバーエージェント、商工会議所、新潟のミスユニバース・ファイナリスト(敬称略)など、全国で延べ14,200名の方へ行っている。

経歴
14歳でメールマガジンを始め、8ヶ月で20,000人の登録を達成。当時の歴代最年少記録を樹立。
大学4年次に新宿にて月間2,000名以上が来場するフリースペース『賢者屋』を創業メンバーとして立ち上げ、初代副代表を務める。同施設内で女子大生を対象に将来を考える企画『なでしこ大学』を運営。

2015年、建築系の大学院を中退し、個人事業主のライターとして独立。
日刊ゲンダイの『コクハク』、東急グループ『ゴルマガ』、株式会社ネオキャリア『起業サプリジャーナル』、株式会社サイバーエージェントの月間500万PVを誇る『by.S』で執筆。

2017年、女性起業家向けにSNS集客セミナーやInstagram集客セミナーを行い、個人のHPとSNSで集客講師の活動を開始。SNSやマーケティングの専門用語をわかりやすく伝え、具体的な実践方法が好評を集め、全国の大手・中小企業、商工会議所・商工会・青年部、ミスユニバースでも講演を行う。

2021年、株式会社PR NETを創設し、代表取締役に就任。
主に『研修・講演事業』『個別コンサルティング』『SNSの運用代行』を行う。
研修・講演事業では延べ14,000名以上、個別の指導は個人・法人で累計500アカウント以上。運用代行では0から立ち上げたTikTokアカウントがフォロー、いいね周り、広告なしの運用で、2年間でフォロワー数6万人を達成。
近年はSNS×AI×Webマーケティングで中小企業の支援をしている。

◆研修実績(敬称略)
ダイハツ工業株式会社/楽天株式会社/東芝テック株式会社/株式会社ロート製薬/株式会社キャリアカレッジジャパン/株式会社UTP/株式会社オモロー

◆講演実績(敬称略)
(公財)東京都中小企業振興公社/東京大学/株式会社ポーラ/株式会社サイバーエージェント/株式会社マイナビ/ベストオブミス新潟/株式会社Schoo/株式会社エディターキャンプ/東京商工会議所/草津商工会議所/久喜市商工会/石岡商工会議所 青年部(石岡YEG)/秋田県信用保証協会/リバーサイド千秋/NU茶屋町/港南台バーズ/紙屋町シャレオなど

■仕事で訪れた都道府県 (47分の18)
秋田・新潟・東京・神奈川・埼玉・千葉・山梨・長野・群馬・茨城・愛知・大阪・兵庫・滋賀・広島・福岡・熊本・鹿児島

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