【小説ブックレビュー】『きっと君は泣く』 著:山本文緒

主人公の椿は、綺麗な顔立ちでお金持ちの家庭に生まれた23歳。

 

そんな彼女は次々と男の人で遊び、お金が必要になったら父の貯金からおろして使用し、男性にもお金にも困ることもなく思い通りの人生を送っていた。

 

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しかし妻子を持っていた男性との関係が悪くなってきたあたりから、徐々に人生の歯車が狂い出す。

 

 

母は祖母と関係がよくなく、祖母にはじめて会ったのは15歳の頃に親戚の葬儀であった。

そのとき見た瞬間に

同じ人間には思えないほど、顔の皺や首筋の弛みはあるものの年齢を感じさせない美しい女性であった。

 

 

そんな祖母を椿は慕い、母に止められても家によく遊びに行った。

そして椿を誰よりも可愛がってくれるのも祖母だった。

 

が、人生の歯車が狂いだした波のはじまりは

美しい祖母がボケてしまうものだった。

 

憧れの女性であった祖母がどんどん別人に変わった。

自分で身動きができず、長くて綺麗な髪は病院でお世話をしてくれている看護師に切られ、短くなっていた。

 

 

その直後、父の会社は破産し、父も急性肝炎で倒れてしまった。

昔から父も母も嫌いで、特に父が大嫌いだった椿は悲しむことはなくとも、お金がなくなり、大好きな祖母の家まで母が売ろうとすることに怒りを感じると同時に守ることのできない自分の無力さも知る。

 

 

 

今まで思い通りにいって、欲しいものが手に入った人生が180度変わり、

見た目が美しい自分で男性を惹きつけていた椿のもとにいる人はいなくなっていた。

 

 

しかし精神的にも苦しくなったときに、ようやく自分の弱さを打ち明け、そこからまたひとつ人生が変わる。

 

 

容姿だけが美しい女性であった椿が得られず、

弱くなった彼女が得た本当に得たものとは…?

 

 

人間の本当の美しさや、大切なものはなんだろう。

そんなことに気が付かせてくれるストーリー。

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